メッシュプラグ法によるヘルニア修復術後のquality of lifeに関する検討
成人の鼠径ヘルニアの修復術は, Bassini法などの従来法を中心に行われてきた.しかし従来法では縫合部に緊張がかかり,術後の疼痛,創部のつっぱり感をきたす事がある.また,この緊張が原因で縫合部壊死をきたし再発が起こるとも考えられている.当科では1995年1月よりpolypropylene meshを用いたtension-freeのプラグ法を施行している.プラグ法と従来法との術後のquality of lifeを比較検討するため, 1993年以降成人鼠径ヘルニア手術を施行した症例に対してアンケート調査を行った.この結果,疼痛の持続期間,創部のつっぱり感,自宅での安静期間,日常生活への復帰期間の...
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Published in | 日本臨床外科学会雑誌 Vol. 60; no. 6; pp. 1479 - 1482 |
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Main Authors | , , |
Format | Journal Article |
Language | Japanese |
Published |
日本臨床外科学会
25.06.1999
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Subjects | |
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ISSN | 1345-2843 1882-5133 |
DOI | 10.3919/jjsa.60.1479 |
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Summary: | 成人の鼠径ヘルニアの修復術は, Bassini法などの従来法を中心に行われてきた.しかし従来法では縫合部に緊張がかかり,術後の疼痛,創部のつっぱり感をきたす事がある.また,この緊張が原因で縫合部壊死をきたし再発が起こるとも考えられている.当科では1995年1月よりpolypropylene meshを用いたtension-freeのプラグ法を施行している.プラグ法と従来法との術後のquality of lifeを比較検討するため, 1993年以降成人鼠径ヘルニア手術を施行した症例に対してアンケート調査を行った.この結果,疼痛の持続期間,創部のつっぱり感,自宅での安静期間,日常生活への復帰期間の面でプラグ法の方が優れており,創感染や再発症例は現在まで認められていない.以上より,プラグ法は成人鼠径ヘルニアに対し従来法と比較してより有用と考えられる. |
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ISSN: | 1345-2843 1882-5133 |
DOI: | 10.3919/jjsa.60.1479 |