イレウス症状から発見された巨大虫垂粘液嚢胞腺腫の1例

今回われわれはイレウス症状から発見された比較的稀と言われる虫垂粘液嚢胞腺腫の1例を経験したので文献的考察を含め報告する.症例は82歳,女性.腹痛,嘔吐にて入院となった.イレウスの診断にてイレウス管留置, 7日後症状軽快し食事摂取可能となった.イレウス軽快後の腹部CTにて右下腹部に9.3×7.6cm大の腫瘤が認められ精査となった.大腸内視鏡検査上虫垂開口部に粘膜下腫瘍様の隆起病変を認め生検では組織診に至らなかったが,注腸造影などから虫垂原発腫瘍を疑い手術となった.術中所見から虫垂嚢腫と考えられたが虫垂根部まで腫瘍化しており回盲部切除を施行した.切除された虫垂は10×7×6cm大の嚢胞性病変であり...

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Published in日本臨床外科学会雑誌 Vol. 62; no. 9; pp. 2219 - 2222
Main Authors 小松, 英樹, 川合, 重久
Format Journal Article
LanguageJapanese
Published 日本臨床外科学会 25.09.2001
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ISSN1345-2843
1882-5133
DOI10.3919/jjsa.62.2219

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Summary:今回われわれはイレウス症状から発見された比較的稀と言われる虫垂粘液嚢胞腺腫の1例を経験したので文献的考察を含め報告する.症例は82歳,女性.腹痛,嘔吐にて入院となった.イレウスの診断にてイレウス管留置, 7日後症状軽快し食事摂取可能となった.イレウス軽快後の腹部CTにて右下腹部に9.3×7.6cm大の腫瘤が認められ精査となった.大腸内視鏡検査上虫垂開口部に粘膜下腫瘍様の隆起病変を認め生検では組織診に至らなかったが,注腸造影などから虫垂原発腫瘍を疑い手術となった.術中所見から虫垂嚢腫と考えられたが虫垂根部まで腫瘍化しており回盲部切除を施行した.切除された虫垂は10×7×6cm大の嚢胞性病変であり,病理組織学検査にて虫垂粘液嚢胞腺腫と診断された.術後経過は良好であった.
ISSN:1345-2843
1882-5133
DOI:10.3919/jjsa.62.2219