腸重積を合併したびまん浸潤型大腸癌の1例

腸重積を合併した4型大腸癌の1例を経験したので報告する. 症例は54歳の女性で主訴は腹痛である.入院時,腹部は平坦,軟で右側腹部に手拳大の腫瘤を触知した.入院時血液検査でCEAが4,100ng/mlと上昇していた.腹部超音波検査,腹部CT検査で上行結腸に同心円状の層状構造が認められ,腸重積と診断した.注腸検査では上行結腸に蟹の爪様の陰影欠損を認めた.入院後,腸閉塞が進行して腹痛が強くなり,腸重積を合併した大腸癌を疑って入院4日目に手術を行った.開腹所見では腹水,腹膜播種を認めた.上行結腸に手拳大の腫瘤があり,回盲部型の腸重積を認めた.右半結腸切除術を行った.標本では盲腸中心に上行結腸,回腸に及...

Full description

Saved in:
Bibliographic Details
Published in日本臨床外科学会雑誌 Vol. 64; no. 9; pp. 2229 - 2232
Main Authors 阪本, 研一, 二村, 直樹, 松友, 将純, 立山, 健一郎, 多羅尾, 信, 安村, 幹央
Format Journal Article
LanguageJapanese
Published 日本臨床外科学会 25.09.2003
Subjects
Online AccessGet full text
ISSN1345-2843
1882-5133
DOI10.3919/jjsa.64.2229

Cover

More Information
Summary:腸重積を合併した4型大腸癌の1例を経験したので報告する. 症例は54歳の女性で主訴は腹痛である.入院時,腹部は平坦,軟で右側腹部に手拳大の腫瘤を触知した.入院時血液検査でCEAが4,100ng/mlと上昇していた.腹部超音波検査,腹部CT検査で上行結腸に同心円状の層状構造が認められ,腸重積と診断した.注腸検査では上行結腸に蟹の爪様の陰影欠損を認めた.入院後,腸閉塞が進行して腹痛が強くなり,腸重積を合併した大腸癌を疑って入院4日目に手術を行った.開腹所見では腹水,腹膜播種を認めた.上行結腸に手拳大の腫瘤があり,回盲部型の腸重積を認めた.右半結腸切除術を行った.標本では盲腸中心に上行結腸,回腸に及ぶ4型腫瘍を認めた.病理組織検査では中分化~低分化の腺癌で,リンパ管侵襲が著明であった.術後5カ月で癌死した.
ISSN:1345-2843
1882-5133
DOI:10.3919/jjsa.64.2229