胆管腺内分泌細胞癌の1例

症例は62歳の男性で,黄疸を主訴として来院.経皮経肝胆道造影検査にて上中部胆管の完全閉塞を認め,腹部CT検査で肝外胆管に直径2cmの腫瘤を認めた.胆汁細胞診で腺癌細胞が証明され,上中部胆管癌と診断.幽門輪温存膵頭十二指腸切除術, D2郭清を施行した.病理組織学的検査で, HE染色では大部分が低分化型腺癌からなり,免疫組織学的染色でchromogranin Aが約10分の1で陽性のため,胆管腺内分泌細胞癌と診断した.術後補助化学療法は施行せず.外来にて経過観察中, 5カ月目にCT検査を行ったところ,肝両葉に多発性肝転移を認めた.その後も肝転移が急速に進行し術後約7カ月で死亡した.稀な肝外胆管原発...

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Published in日本臨床外科学会雑誌 Vol. 65; no. 6; pp. 1659 - 1662
Main Authors 西村, 淳, 河内, 保之, 永橋, 昌幸, 牧野, 成人, 新国, 恵也, 清水, 武昭
Format Journal Article
LanguageEnglish
Published 日本臨床外科学会 25.06.2004
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Summary:症例は62歳の男性で,黄疸を主訴として来院.経皮経肝胆道造影検査にて上中部胆管の完全閉塞を認め,腹部CT検査で肝外胆管に直径2cmの腫瘤を認めた.胆汁細胞診で腺癌細胞が証明され,上中部胆管癌と診断.幽門輪温存膵頭十二指腸切除術, D2郭清を施行した.病理組織学的検査で, HE染色では大部分が低分化型腺癌からなり,免疫組織学的染色でchromogranin Aが約10分の1で陽性のため,胆管腺内分泌細胞癌と診断した.術後補助化学療法は施行せず.外来にて経過観察中, 5カ月目にCT検査を行ったところ,肝両葉に多発性肝転移を認めた.その後も肝転移が急速に進行し術後約7カ月で死亡した.稀な肝外胆管原発の腺内分泌細胞癌の切除例を経験したので報告する.
ISSN:1345-2843
1882-5133
DOI:10.3919/jjsa.65.1659