単純ヘルペス脳炎が自然軽快した後,両側側頭葉内側部に対称性脳萎縮を認めた1症例
症例は,抗ウイルス薬の治療を受けずに軽快した単純ヘルペス脳炎の57歳男性で,後遺症として,著しい前向性健忘と数年にわたる逆向性健忘と滞続言語が持続.脳炎急性期からの頭部CT上の変化を経時的に比較検討した.本症例は, (1)数少ない自然軽快例であり, (2) CT上,両側側頭葉内側部の高度な破壊をはじめ,大脳辺縁系に限局した漸次進行性の選択的破壊が認められた.単純ヘルペスウイルスの特異な“neurotropism”を示す1例と考えられた....
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Published in | 日本内科学会雑誌 Vol. 82; no. 7; pp. 1099 - 1101 |
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Main Authors | , , , , , , , , |
Format | Journal Article |
Language | Japanese |
Published |
一般社団法人 日本内科学会
1993
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Subjects | |
Online Access | Get full text |
ISSN | 0021-5384 1883-2083 |
DOI | 10.2169/naika.82.1099 |
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Summary: | 症例は,抗ウイルス薬の治療を受けずに軽快した単純ヘルペス脳炎の57歳男性で,後遺症として,著しい前向性健忘と数年にわたる逆向性健忘と滞続言語が持続.脳炎急性期からの頭部CT上の変化を経時的に比較検討した.本症例は, (1)数少ない自然軽快例であり, (2) CT上,両側側頭葉内側部の高度な破壊をはじめ,大脳辺縁系に限局した漸次進行性の選択的破壊が認められた.単純ヘルペスウイルスの特異な“neurotropism”を示す1例と考えられた. |
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ISSN: | 0021-5384 1883-2083 |
DOI: | 10.2169/naika.82.1099 |