主膵管内進展とリンパ節転移を伴った小膵癌の1例
症例は82歳,男性.血清アミラーゼ値上昇の原因精査のため当院へ紹介となった.腹部超音波検査,腹部造影CT検査,超音波内視鏡検査にて膵体部に約1cmの腫瘤性病変とその尾側の膵管拡張を認めた.内視鏡的逆行性膵管造影検査では,膵管は膵体部にて途絶していた.膵体部癌の診断のもと,尾側膵亜全摘を行った.病理組織学的検査では,高分化型管状腺癌, intermediate type, INFβ, ly1, v0, ne0, mpd(+)14mm, Pb, TS1: 9mm, nodular type, RP(+), T3, N1 (11p, 1/16個), M0, Stage IIIであった.主膵管内進展は...
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Published in | 日本臨床外科学会雑誌 Vol. 67; no. 6; pp. 1390 - 1394 |
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Main Authors | , , , , |
Format | Journal Article |
Language | Japanese |
Published |
日本臨床外科学会
25.06.2006
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Subjects | |
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ISSN | 1345-2843 1882-5133 |
DOI | 10.3919/jjsa.67.1390 |
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Summary: | 症例は82歳,男性.血清アミラーゼ値上昇の原因精査のため当院へ紹介となった.腹部超音波検査,腹部造影CT検査,超音波内視鏡検査にて膵体部に約1cmの腫瘤性病変とその尾側の膵管拡張を認めた.内視鏡的逆行性膵管造影検査では,膵管は膵体部にて途絶していた.膵体部癌の診断のもと,尾側膵亜全摘を行った.病理組織学的検査では,高分化型管状腺癌, intermediate type, INFβ, ly1, v0, ne0, mpd(+)14mm, Pb, TS1: 9mm, nodular type, RP(+), T3, N1 (11p, 1/16個), M0, Stage IIIであった.主膵管内進展は膵頭部の方向へ14mmに及んだ.小膵癌症例に対しても,リンパ節郭清を伴ったいわゆる標準手術によりR0を目指し,膵切離に際しては術中迅速病理検査による膵管断端の確認が必要と思われる. |
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ISSN: | 1345-2843 1882-5133 |
DOI: | 10.3919/jjsa.67.1390 |