脳梗塞急性期における血小板凝集能の男女差の検討

脳梗塞急性期群130症例の2μM ADPに対する血小板凝集能 (PA) を測定した.そのうち86例ではantithrombinIII (ATIII), α2-plasmin inhibitor (APL) も同時に測定した.タイプ別にラクーネ群 (L群), 皮質枝血栓群 (T群), 心源性塞栓群 (E群), 男女別に男性群 (M群), 女性群 (F群) に分類し, ML, MT, ME, FL, FT, FE群の6群について検討した.外来通院中の成人病患者例を対照群とすると, 梗塞群のPA, ATIII, APLはともに対照群より低下していた.PA, ATIIIにおいてE群はL, T群より低値...

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Published in脳卒中 Vol. 15; no. 1; pp. 40 - 44
Main Authors 渡辺, 英夫, 真野, 和夫, 渡辺, 正樹, 高橋, 昭
Format Journal Article
LanguageJapanese
Published 一般社団法人 日本脳卒中学会 1993
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ISSN0912-0726
1883-1923
DOI10.3995/jstroke.15.40

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Summary:脳梗塞急性期群130症例の2μM ADPに対する血小板凝集能 (PA) を測定した.そのうち86例ではantithrombinIII (ATIII), α2-plasmin inhibitor (APL) も同時に測定した.タイプ別にラクーネ群 (L群), 皮質枝血栓群 (T群), 心源性塞栓群 (E群), 男女別に男性群 (M群), 女性群 (F群) に分類し, ML, MT, ME, FL, FT, FE群の6群について検討した.外来通院中の成人病患者例を対照群とすると, 梗塞群のPA, ATIII, APLはともに対照群より低下していた.PA, ATIIIにおいてE群はL, T群より低値であるが, APLでは差を認めなかった.またPA, ATIII, APLともにM群はF群より低値であることが多かったが, これは主にML群とFL群の差によると考えられた.脳梗塞急性期症例, 特にL群でPAは男性において女性より低下することが多いという男女差が存在することが明らかになった.
ISSN:0912-0726
1883-1923
DOI:10.3995/jstroke.15.40