腹腔鏡下切除を行った虫垂の腺腫内癌の1例

症例は78歳,女性.大腸内視鏡検査で盲腸の虫垂開口部に隆起性病変があり,生検組織診断はGroup 3,腺腫の診断で腹腔鏡下に虫垂と盲腸の一部を含む切除を行った.切除標本の病理診断は虫垂の長径13mmの腺管絨毛腺腫内表層に3mm径の高分化腺癌を認める腺腫内癌で,リンパ節転移はなかった.術前に虫垂腫瘍が診断された際の治療法選択は難しい.本例は,虫垂遠位端が不明であるがゆえに大きさが1cm以上の腺腫と考えられ,癌併存を疑う腺腫と診断し,虫垂および回盲部の広範囲詳細な観察を目的として腹腔鏡下手術を選択した....

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Published in日本臨床外科学会雑誌 Vol. 64; no. 9; pp. 2207 - 2210
Main Authors 北田, 敏雄, 小川, 芳明, 森山, 大樹, 中村, 賢二郎, 三好, 晃, 井上, 健, 明石, 良夫
Format Journal Article
LanguageJapanese
Published 日本臨床外科学会 25.09.2003
Subjects
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ISSN1345-2843
1882-5133
DOI10.3919/jjsa.64.2207

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Summary:症例は78歳,女性.大腸内視鏡検査で盲腸の虫垂開口部に隆起性病変があり,生検組織診断はGroup 3,腺腫の診断で腹腔鏡下に虫垂と盲腸の一部を含む切除を行った.切除標本の病理診断は虫垂の長径13mmの腺管絨毛腺腫内表層に3mm径の高分化腺癌を認める腺腫内癌で,リンパ節転移はなかった.術前に虫垂腫瘍が診断された際の治療法選択は難しい.本例は,虫垂遠位端が不明であるがゆえに大きさが1cm以上の腺腫と考えられ,癌併存を疑う腺腫と診断し,虫垂および回盲部の広範囲詳細な観察を目的として腹腔鏡下手術を選択した.
ISSN:1345-2843
1882-5133
DOI:10.3919/jjsa.64.2207