頬粘膜下に発生した神経鞘腫の一症例

神経鞘腫はシュワン細胞由来の良性腫瘍で,全身のいたるところに発生する。頭頸部領域は比較的好発部位で,なかでも舌・頸部・咽頭に多くみられる。今回我々は頬粘膜下に発生した神経鞘腫を経験したので報告する。症例は47歳男性。半年前より右頬部腫瘤が出現,硬くなったため受診された。右頬部に直径約20mmの境界明瞭な腫瘤を触知した。CTでは,低吸収で不均一に造影された。MRIでは,T1低信号,T2比較的高信号,Gd-DTPAで不均一に造影された。歯齦部より腫瘍摘出術を施行した。病理組織学的にはAntoni A型の神経鞘腫であった。術中起源神経は同定されず,術後も神経脱落症状は認められなかった。...

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Published in頭頸部外科 Vol. 12; no. 3; pp. 137 - 141
Main Authors 斉藤, 慶子, 河野, 聖美, 吉原, 俊雄, 小山, 訓子, 鈴木, さおり
Format Journal Article
LanguageJapanese
Published 特定非営利活動法人 日本頭頸部外科学会 30.12.2002
Subjects
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ISSN1349-581X
1884-474X
DOI10.5106/jjshns.12.137

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Summary:神経鞘腫はシュワン細胞由来の良性腫瘍で,全身のいたるところに発生する。頭頸部領域は比較的好発部位で,なかでも舌・頸部・咽頭に多くみられる。今回我々は頬粘膜下に発生した神経鞘腫を経験したので報告する。症例は47歳男性。半年前より右頬部腫瘤が出現,硬くなったため受診された。右頬部に直径約20mmの境界明瞭な腫瘤を触知した。CTでは,低吸収で不均一に造影された。MRIでは,T1低信号,T2比較的高信号,Gd-DTPAで不均一に造影された。歯齦部より腫瘍摘出術を施行した。病理組織学的にはAntoni A型の神経鞘腫であった。術中起源神経は同定されず,術後も神経脱落症状は認められなかった。
ISSN:1349-581X
1884-474X
DOI:10.5106/jjshns.12.137