ICG蛍光測光による乳腺リンパ流の観察-センチネルリンパ節生検への応用
乳癌症例においてICG蛍光測光を用いて乳腺リンパ流路を観察し,センチネルリンパ節生検 (SNB) への応用を試みた. 2004年7月から11月の乳癌初回手術39例41乳房を対象とし,乳輪皮内にICG液を注入後,励起光を照射しCCDカメラにてリンパ流路を蛍光イメージとして観察し, SNBへの応用も試みた. 1) リンパ流路:腋窩方向へのリンパ流は88%,胸鎖関節方向へは27.5%,乳腺外側方向へは30%,傍胸骨方向へは32%に認められた. 2) 35乳房でSNBを施行した.腋窩小切開部位で蛍光を発する染色リンパ節を確認しセンチネルリンパ節とした.染色が軽度で脂肪織内に埋没していても,蛍光イメージ...
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Published in | 日本臨床外科学会雑誌 Vol. 66; no. 8; pp. 1821 - 1826 |
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Main Authors | , , , , |
Format | Journal Article |
Language | Japanese |
Published |
日本臨床外科学会
25.08.2005
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Subjects | |
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ISSN | 1345-2843 1882-5133 |
DOI | 10.3919/jjsa.66.1821 |
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Summary: | 乳癌症例においてICG蛍光測光を用いて乳腺リンパ流路を観察し,センチネルリンパ節生検 (SNB) への応用を試みた. 2004年7月から11月の乳癌初回手術39例41乳房を対象とし,乳輪皮内にICG液を注入後,励起光を照射しCCDカメラにてリンパ流路を蛍光イメージとして観察し, SNBへの応用も試みた. 1) リンパ流路:腋窩方向へのリンパ流は88%,胸鎖関節方向へは27.5%,乳腺外側方向へは30%,傍胸骨方向へは32%に認められた. 2) 35乳房でSNBを施行した.腋窩小切開部位で蛍光を発する染色リンパ節を確認しセンチネルリンパ節とした.染色が軽度で脂肪織内に埋没していても,蛍光イメージの観察から容易にリンパ節を同定でき,同定率は94.3% (33/35) であった. ICG蛍光測光では乳房における多方向へのリンパ流が観察されリンパ節の同定が容易であり,色素法によるSNBの欠点を補う有用な方法と思われる. |
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ISSN: | 1345-2843 1882-5133 |
DOI: | 10.3919/jjsa.66.1821 |