食品の硬さが咀嚼運動に及ぼす影響

食品の硬さの違いが咀嚼運動に及ぼす影響を明らかにする目的で, 正常者20名に硬さの異なる4種類のグミゼリーを主咀嚼側で咀嚼させ, 咀嚼開始後の第5サイクルからの10サイクルにおける開口量, 咀嚼幅, サイクルタイム, 咬筋筋活動の積分値について, 4種類のグミゼリー間で定量的に比較し, 以下の結論を得た. 1. 開口量と咀嚼幅は, ともにゼラチン含有量が5%で最も小さく, 6.5%, 8%, 9.5%の順にゼラチン含有量が増すに従って, 大きくなり, 開口量では, 5%と8%との間, 5%と9.5%との間, 6.5%と8%との間, 6.5%と9.5%との間, また咀嚼幅では, 5%と9.5%と...

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Published in日本咀嚼学会雑誌 Vol. 10; no. 2; pp. 85 - 93
Main Authors 志賀, 博, 三輪, 雅彦, 小林, 義典
Format Journal Article
LanguageJapanese
Published 特定非営利活動法人 日本咀嚼学会 15.05.2001
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ISSN0917-8090
1884-4448
DOI10.14858/soshaku1991.10.85

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Summary:食品の硬さの違いが咀嚼運動に及ぼす影響を明らかにする目的で, 正常者20名に硬さの異なる4種類のグミゼリーを主咀嚼側で咀嚼させ, 咀嚼開始後の第5サイクルからの10サイクルにおける開口量, 咀嚼幅, サイクルタイム, 咬筋筋活動の積分値について, 4種類のグミゼリー間で定量的に比較し, 以下の結論を得た. 1. 開口量と咀嚼幅は, ともにゼラチン含有量が5%で最も小さく, 6.5%, 8%, 9.5%の順にゼラチン含有量が増すに従って, 大きくなり, 開口量では, 5%と8%との間, 5%と9.5%との間, 6.5%と8%との間, 6.5%と9.5%との間, また咀嚼幅では, 5%と9.5%との間, 6.5%と9.5%との間, 8%と9.5%との間にそれぞれ有意差が認められた. 2. サイクルタイムは, ゼラチン含有量が5%で最も小さく, ゼラチン含有量が増すに従って, 大きくなり, 5%と8%との間, 5%と9.5%との間にそれぞれ有意差が認められた. 3. 咬筋筋活動の積分値は, ゼラチン含有量が5%で最も小さく, ゼラチン含有量が増すに従って, 大きくなり, 6.5%と8%との間を除く, 全ての2グミゼリー間にそれぞれ有意差が認められた. 4. 以上のことから, 食品の硬さの違いは, 咀嚼運動における運動経路, 運動リズム, ならびに咬筋筋活動を変化させることが明らかになり, 咀嚼運動に影響を及ぼすことが示唆された.
ISSN:0917-8090
1884-4448
DOI:10.14858/soshaku1991.10.85