大腸憩室炎手術例の検討

過去10年間に当院で手術を行った大腸憩室炎23例に対して臨床的検討を行った.年齢は8から89歳で平均57.5歳であった.男13例,女10例で差はなかった.発生部位は右側結腸12例,左側結腸11例であった.術前診断は汎発性腹膜炎10例,虫垂炎7例であった. 22例中16例に緊急手術を行った.虫垂切除とドレナージを行った2例を除いて, 21例に局所切除以上の腸切除を行った.この21例中, 18例に一期的腸切除術を行った.うち, 16例では術後経過良好であったが,術前ショック状態を伴った左側結腸憩室炎による汎発性腹膜炎例2例では術後合併症のため,人工肛門造設術を追加し,結果的に二期的三期的手術となっ...

Full description

Saved in:
Bibliographic Details
Published in日本臨床外科学会雑誌 Vol. 61; no. 6; pp. 1399 - 1406
Main Authors 安蘓, 正和, 坂田, 久信, 加藤, 秀典, 今村, 秀, 三井, 信介
Format Journal Article
LanguageJapanese
Published 日本臨床外科学会 25.06.2000
Subjects
Online AccessGet full text
ISSN1345-2843
1882-5133
DOI10.3919/jjsa.61.1399

Cover

More Information
Summary:過去10年間に当院で手術を行った大腸憩室炎23例に対して臨床的検討を行った.年齢は8から89歳で平均57.5歳であった.男13例,女10例で差はなかった.発生部位は右側結腸12例,左側結腸11例であった.術前診断は汎発性腹膜炎10例,虫垂炎7例であった. 22例中16例に緊急手術を行った.虫垂切除とドレナージを行った2例を除いて, 21例に局所切除以上の腸切除を行った.この21例中, 18例に一期的腸切除術を行った.うち, 16例では術後経過良好であったが,術前ショック状態を伴った左側結腸憩室炎による汎発性腹膜炎例2例では術後合併症のため,人工肛門造設術を追加し,結果的に二期的三期的手術となった.術前ショック状態を伴った5例はすべて術後合併症を併発,うち2例は死亡し,予後不良であった.術前ショック状態といった予後不良因子を欠くものでは一期的手術は安全であると言えるが,予後不良因子を持った例では一期的手術はさけて二期的三期的手術を行うべきと考えた.
ISSN:1345-2843
1882-5133
DOI:10.3919/jjsa.61.1399