ポリウレタン合成におけるアミン触媒の構造および物性への影響

ポリウレタン製造用アミン触媒としてよく知られている1,4-ジアザビシクロ (2,2,2) オクタン (DABCO) を用いてポリウレタンエラストマー (PUE) を合成し, アミン触媒がその構造および物性に及ぼす影響について検討した. 触媒添加PUEは, 無触媒PUEに比べて反応速度が速くなり, 偏光顕微鏡の観察では, ソフトセグメントマトリックス中のハードセグメントの球晶はより小さくところどころに分散している. また示差走査熱量 (DSC) 測定では, 非晶性バードセグメントのガラス転移温度 (Tg. h) に起因する転位幅は広がりをもち, ハードセグメントの微分散的な分散が進んでいることが...

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Published in高分子論文集 Vol. 57; no. 2; pp. 67 - 71
Main Authors 平子, 美穂子, 井上, 眞一, 岡本, 弘
Format Journal Article
LanguageJapanese
Published 公益社団法人 高分子学会 2000
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ISSN0386-2186
1881-5685
DOI10.1295/koron.57.67

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Summary:ポリウレタン製造用アミン触媒としてよく知られている1,4-ジアザビシクロ (2,2,2) オクタン (DABCO) を用いてポリウレタンエラストマー (PUE) を合成し, アミン触媒がその構造および物性に及ぼす影響について検討した. 触媒添加PUEは, 無触媒PUEに比べて反応速度が速くなり, 偏光顕微鏡の観察では, ソフトセグメントマトリックス中のハードセグメントの球晶はより小さくところどころに分散している. また示差走査熱量 (DSC) 測定では, 非晶性バードセグメントのガラス転移温度 (Tg. h) に起因する転位幅は広がりをもち, ハードセグメントの微分散的な分散が進んでいることが明らかとなった. 力学物性では, アミン触媒を用いることにより, 一定のひずみ下における強度は無触媒PUEに比べ上昇し, 300%以上の伸長時で応力の立ち上がりがみられ, 著しい伸び切り効果を示した. また, 応力緩和はおそくなり, 長期にわたり応力が持続し弾性が上昇する結果となった.
ISSN:0386-2186
1881-5685
DOI:10.1295/koron.57.67