鉄道車両用空気ばねゴムベローズの劣化特性

近年, 鉄道車両メンテナンスの省力化のニーズが増大しており, 鉄道車両部材に関しても耐久性評価に基づき, 長寿命化や使用期限管理の適正化を行うことが求められている. このため, 車両防振のために重要な部材である空気ばねゴムベローズの耐久性評価を行った. その結果, 最大16年間の使用に対してばね定数などの実用性能は良好な耐久性を示したが, ベローズの材質の物性では明確な低下が認められた. そして, 空気ばねベローズは現車使用の初期段階では酸化劣化による材質硬化を示したが, 長期間の使用に伴いゴムの分子運動性が増大するなど, 疲労劣化が進展することを明らかとした. また, ベローズ中央部ではすべ...

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Published in高分子論文集 Vol. 58; no. 2; pp. 92 - 98
Main Authors 御船, 直人, 半坂, 征則, 大原, 利一郎, 畦地, 利夫
Format Journal Article
LanguageJapanese
Published 公益社団法人 高分子学会 2001
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ISSN0386-2186
1881-5685
DOI10.1295/koron.58.92

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Summary:近年, 鉄道車両メンテナンスの省力化のニーズが増大しており, 鉄道車両部材に関しても耐久性評価に基づき, 長寿命化や使用期限管理の適正化を行うことが求められている. このため, 車両防振のために重要な部材である空気ばねゴムベローズの耐久性評価を行った. その結果, 最大16年間の使用に対してばね定数などの実用性能は良好な耐久性を示したが, ベローズの材質の物性では明確な低下が認められた. そして, 空気ばねベローズは現車使用の初期段階では酸化劣化による材質硬化を示したが, 長期間の使用に伴いゴムの分子運動性が増大するなど, 疲労劣化が進展することを明らかとした. また, ベローズ中央部ではすべての方位で大きく繰返し変形するため, 試験したすべての箇所で著しい劣化が認められるのに対し, 上部では空気ばねの水平方向, 下部では車両進行方向で劣化の度合いが小さいなど, 車両振動状況を反映した劣化特性を明らかにした.
ISSN:0386-2186
1881-5685
DOI:10.1295/koron.58.92