草本バイオマスのエネルギー転化利用技術の開発 イナワラの高効率糖化酵素としてのイナゴ腸内酵素の探索

イネによる土壌浄化(ファイトレメディエーション)の実施が実用化されつつあるが,その結果生じる重金属や放射性物質などの汚染物質を含むイナワラは,産業廃棄物として焼却処分されることとなる.筆者らは,これらイナワラのバイオエタノール化を目指してイナワラの糖化研究を行っている.イナワラの糖化酵素の探索に際して,筆者らはイネの害虫であるイナゴがイネ茎葉を常食することに着目し,その腸内酵素を中心に研究を進めている.本稿では,前処理のイナワラの糖化にイナゴ腸内酵素が非常に有用であることや,イナワラ糖化におけるイナゴ腸内共生菌の役割なども含め,最近の研究成果を中心に概説したい....

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Bibliographic Details
Published in化学と生物 Vol. 58; no. 9; pp. 505 - 510
Main Authors 長谷川, 功, 伊藤(山谷), 紘子
Format Journal Article
LanguageJapanese
Published 公益社団法人 日本農芸化学会 01.09.2020
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ISSN0453-073X
1883-6852
DOI10.1271/kagakutoseibutsu.58.505

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Summary:イネによる土壌浄化(ファイトレメディエーション)の実施が実用化されつつあるが,その結果生じる重金属や放射性物質などの汚染物質を含むイナワラは,産業廃棄物として焼却処分されることとなる.筆者らは,これらイナワラのバイオエタノール化を目指してイナワラの糖化研究を行っている.イナワラの糖化酵素の探索に際して,筆者らはイネの害虫であるイナゴがイネ茎葉を常食することに着目し,その腸内酵素を中心に研究を進めている.本稿では,前処理のイナワラの糖化にイナゴ腸内酵素が非常に有用であることや,イナワラ糖化におけるイナゴ腸内共生菌の役割なども含め,最近の研究成果を中心に概説したい.
ISSN:0453-073X
1883-6852
DOI:10.1271/kagakutoseibutsu.58.505