木質系廃棄物を利用した強化型調湿炭に関する研究

木材の切削加工時に産出される木質系廃棄物を原料とした木炭から, 塩類によって調湿機能を強化した調湿炭を誘導し, その性能を明らかにした。強化型調湿炭は通常の木炭とは違い「塩類による吸湿」「木炭による吸水」の二段階のプロセスを用いて調湿を行う設計がなされている。結果として従来の木炭の1.2~4倍の調湿性能を示し, 特に塩化カルシウムによって強化された調湿炭は, 木炭の種類と粒径に関係なく高い調湿性能を示した。また繰り返し吸放湿試験において強化型調湿炭は, 木炭の持つ繰り返し連続使用性を損なうことなく, シリカゲルなどの吸湿材より優れた持続性を示した。今後, リサイクル材料としての利用を促進するこ...

Full description

Saved in:
Bibliographic Details
Published in廃棄物学会論文誌 Vol. 16; no. 1; pp. 13 - 19
Main Authors 中西, 亜貴夫, 玉井, 元治, 棚田, 成紀, 中村, 武夫, 川崎, 直人
Format Journal Article
LanguageJapanese
Published 一般社団法人 廃棄物資源循環学会 01.01.2005
Subjects
Online AccessGet full text

Cover

Loading…
More Information
Summary:木材の切削加工時に産出される木質系廃棄物を原料とした木炭から, 塩類によって調湿機能を強化した調湿炭を誘導し, その性能を明らかにした。強化型調湿炭は通常の木炭とは違い「塩類による吸湿」「木炭による吸水」の二段階のプロセスを用いて調湿を行う設計がなされている。結果として従来の木炭の1.2~4倍の調湿性能を示し, 特に塩化カルシウムによって強化された調湿炭は, 木炭の種類と粒径に関係なく高い調湿性能を示した。また繰り返し吸放湿試験において強化型調湿炭は, 木炭の持つ繰り返し連続使用性を損なうことなく, シリカゲルなどの吸湿材より優れた持続性を示した。今後, リサイクル材料としての利用を促進することで木質系廃棄物のリサイクル率向上に寄与できると期待できる。
ISSN:1883-1648
1883-163X
DOI:10.3985/jswme.16.13