貯蔵米を利用した米飯からの粥調製方法の検討

(1) 1,000mlトールビーカーとプラスチック製の蓋を使用して, 直接炊きで米・米飯それぞれからの粥飯の調製が可能であった, 吹きこぼれの制御, 温度調節のため適宜電圧の調節を行った. (2) 米飯粥の破断応力は加熱時間の延長に伴いそのばらつきも含めて小さくなり, 30分加熱では米粥より低い値になった. (3) 米飯粥は加熱時間の延長に伴い, かたさ応力は減少して軟化が進み, 凝集性, 付着性は増して弾力, 粘りが強くなった.30分加熱では米粥とほぼ同質のテクスチャーを持つ粥となった.炊き水の種類の影響は小さかった. (4) 粥飯からの遊離水分量は米飯粥(30分加熱)で米粥に近くなった....

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Published in日本家政学会誌 Vol. 56; no. 4; pp. 215 - 222
Main Authors 貝沼, やす子, 福田, 靖子
Format Journal Article
LanguageEnglish
Published 一般社団法人 日本家政学会 2005
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Summary:(1) 1,000mlトールビーカーとプラスチック製の蓋を使用して, 直接炊きで米・米飯それぞれからの粥飯の調製が可能であった, 吹きこぼれの制御, 温度調節のため適宜電圧の調節を行った. (2) 米飯粥の破断応力は加熱時間の延長に伴いそのばらつきも含めて小さくなり, 30分加熱では米粥より低い値になった. (3) 米飯粥は加熱時間の延長に伴い, かたさ応力は減少して軟化が進み, 凝集性, 付着性は増して弾力, 粘りが強くなった.30分加熱では米粥とほぼ同質のテクスチャーを持つ粥となった.炊き水の種類の影響は小さかった. (4) 粥飯からの遊離水分量は米飯粥(30分加熱)で米粥に近くなった. (5) 粥洗液中の固形分量は, 30分加熱の米飯粥で多く溶出した.全糖量は30分加熱の竹炭水粥のみが米粥とほぼ同量溶出し, タンパク質量は竹炭水粥(10分・30分加熱)で多く, 竹炭水の高いpHの影響が考えられた. (6) 米粥は白く, つやがあり, 旨味が強く, 米飯粥(水・30分加熱)は見た目に粒の形が残っていないと有意に評価された.滑らかさ, 粘り, 水っぽさなどの物性面では両者に有意の差はなく, 米飯からでも 30分程度加熱すれば, 米から炊いた粥にかなり近い性状を持つ粥が調製できた.
ISSN:0913-5227
1882-0352
DOI:10.11428/jhej1987.56.215