ホエータンパク質-ゼラチン混合ゲルのレオロジー的特性に及ぼすpH と塩の影響

(1) 塩, 未変性 WPI ゾルとアルカリ処理ゼラチンゾルを混合してpHを調整した後, 90℃ で 10 分間保持する混合法を用いてゲルを調製した場合, pH の上昇に伴いみかけの破断応力が高くなった. 同混合法において酸処理ゼラチンを用いた場合では pH 3.5, 4.5にピークがみられた. (2) WPI アルカリ処理ゼラチン混合ゾルに対し, 0.1N 塩化カルシウム, 塩化マグネシウムを 1% 以上添加することにより, 加熱温度の上昇に伴い透明度が低下し, 不均一なゲル化による沈殿が起こった. 0.1N塩化ナトリウム, クエン酸ナトリウム添加では, 濃度, 加熱温度の上昇に伴い透明度の...

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Published in日本家政学会誌 Vol. 48; no. 6; pp. 501 - 507
Main Authors 粟津原, 理恵, 河村, フジ子
Format Journal Article
LanguageEnglish
Japanese
Published 一般社団法人 日本家政学会 1997
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Summary:(1) 塩, 未変性 WPI ゾルとアルカリ処理ゼラチンゾルを混合してpHを調整した後, 90℃ で 10 分間保持する混合法を用いてゲルを調製した場合, pH の上昇に伴いみかけの破断応力が高くなった. 同混合法において酸処理ゼラチンを用いた場合では pH 3.5, 4.5にピークがみられた. (2) WPI アルカリ処理ゼラチン混合ゾルに対し, 0.1N 塩化カルシウム, 塩化マグネシウムを 1% 以上添加することにより, 加熱温度の上昇に伴い透明度が低下し, 不均一なゲル化による沈殿が起こった. 0.1N塩化ナトリウム, クエン酸ナトリウム添加では, 濃度, 加熱温度の上昇に伴い透明度の低下がみられたが, 不均一なゲル化による沈殿は起こらなかった. リン酸水素ナトリウム, 炭酸水素ナトリウムの添加ではいずれの濃度, 加熱条件においても透明度の低下がみられなかった. (3) クエン酸ナトリウム添加 WPI-アルカリ処理ゼラチン混合ゾルは, 80℃ 以上で, 高分子の凝集体の形成が起こり, 90℃-10 分間の加熱条件ではさらに, 凝集体の形成が促進された. (4) 塩添加 WPI-アルカリ処理ゼラチン混合ゲルは, 塩化カルシウム, 塩化ナトリウム, クエン酸ナトリウム添加の順にみかけの破断応力値が高く, 結合水の多いゲルとなった.
ISSN:0913-5227
1882-0352
DOI:10.11428/jhej1987.48.501