内頚動脈系TIA発現に関与する血行力学的因子

血圧低下に伴ない出現する内頚動脈系TIAの臨床像を報告し, そのTIA発現機序に関与する血行力学的諸因子を検討した.血圧低下に伴い神経症状が出現し, 血圧の回復に伴い症状の消失したhemodynamic TIAは6例で平均年齢は73±7歳である.普段の平均血圧は113, 発作時86mmHgで, 約23%の血圧低下が認められた.血圧低下の原因はvasovagal reflex1例, 房室伝導障害2例, 起立性低血圧1例, 降圧剤の内服2例であった.脳血管造影にて5例に高度の脳主幹動脈閉塞性病変を認めた。発作時の血液Ht値は平均44%で普段の38より有意に上昇していた.hemodynamic TI...

Full description

Saved in:
Bibliographic Details
Published in脳卒中 Vol. 9; no. 5; pp. 463 - 468
Main Authors 栗山, 良紘, 澤田, 徹, 金子, 尚二, 新美, 次男, 成冨, 博章
Format Journal Article
LanguageJapanese
Published 一般社団法人 日本脳卒中学会 1987
Subjects
Online AccessGet full text

Cover

Loading…
More Information
Summary:血圧低下に伴ない出現する内頚動脈系TIAの臨床像を報告し, そのTIA発現機序に関与する血行力学的諸因子を検討した.血圧低下に伴い神経症状が出現し, 血圧の回復に伴い症状の消失したhemodynamic TIAは6例で平均年齢は73±7歳である.普段の平均血圧は113, 発作時86mmHgで, 約23%の血圧低下が認められた.血圧低下の原因はvasovagal reflex1例, 房室伝導障害2例, 起立性低血圧1例, 降圧剤の内服2例であった.脳血管造影にて5例に高度の脳主幹動脈閉塞性病変を認めた。発作時の血液Ht値は平均44%で普段の38より有意に上昇していた.hemodynamic TIA発現に際しては, 脳血管閉塞と血圧低下に加えてhemorheological factorsの関与が示唆された.
ISSN:0912-0726
1883-1923
DOI:10.3995/jstroke.9.463