補助心臓の心補助効果に関する心力学的研究 左室の外的仕事量に対する検討
補助心臓の生体心臓に与える影響を心力学的に検討することを目的として, 8チヤネル超音波変位計を試作し, 急性動物実験で, 心室径や心筋長の変化を測定する方法の確立と補助心臓の各種駆動モードの生体心臓に与える影響について検討した。空気駆動ダイヤフラム型ボンプをイヌ鯉常心の左心房と下行大動脈間に移植して, 心電図同期モード3種, 非同期モード2種で駆動し, 左心室内圧と左心室径および左心室自由壁心筋長から左室全体や局所心筋のなす外的仕事量を計算し, ポンプ非駆動時のそれと比較検討した。その結果, すべてのモードで外的仕事量が軽減され, 特に非同期モードでの効果が顕著であったが, 不全心に対してはさ...
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Published in | 人工臓器 Vol. 14; no. 3; pp. 1057 - 1060 |
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Main Authors | , , , , , , , |
Format | Journal Article |
Language | Japanese |
Published |
一般社団法人 日本人工臓器学会
1985
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Summary: | 補助心臓の生体心臓に与える影響を心力学的に検討することを目的として, 8チヤネル超音波変位計を試作し, 急性動物実験で, 心室径や心筋長の変化を測定する方法の確立と補助心臓の各種駆動モードの生体心臓に与える影響について検討した。空気駆動ダイヤフラム型ボンプをイヌ鯉常心の左心房と下行大動脈間に移植して, 心電図同期モード3種, 非同期モード2種で駆動し, 左心室内圧と左心室径および左心室自由壁心筋長から左室全体や局所心筋のなす外的仕事量を計算し, ポンプ非駆動時のそれと比較検討した。その結果, すべてのモードで外的仕事量が軽減され, 特に非同期モードでの効果が顕著であったが, 不全心に対してはさらに検討を要すると考えられた。また, 左心室全体と局所心筋の仕事量軽減の割合は各モード間でほぼ等しく, 補助心臓の生体心臓局所に対する一様な仕事量軽減効果を示すものと考えられた。 |
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ISSN: | 0300-0818 1883-6097 |
DOI: | 10.11392/jsao1972.14.1057 |