きんぴらごぼうによる食餌性イレウスの1例

症例は34歳, 女性. 腹痛と嘔吐を主訴に当院救急外来を受診した. 腹部単純X線, CT検査で管腔内に内容物が充満し, 拡張する小腸を認めた. 帝王切開の既往があるため, 術後癒着による絞扼性イレウスと診断し緊急手術を施行した. 回腹末端から口側約30cmの部位で腫瘤を認め, これより口側の腸管は拡張していた. 同部位に小切開を加えたところ, 約3×6cm大の俵状に一塊となった牛薄と人参を認めた. これによる食餌性イレウスと診断し, 異物を摘出しイレウスを解除した. 異物は前日に丸呑みしたきんぴらごぼうであった. 症例は全歯牙が融解, 欠損しており, 咀嚼が困難であった....

Full description

Saved in:
Bibliographic Details
Published in日本腹部救急医学会雑誌 Vol. 23; no. 7; pp. 1095 - 1097
Main Authors 櫻田, 睦, 國井, 康弘, 柳沼, 行宏, 橋口, 忠典, 石引, 佳郎, 木原, 晃, 片見, 厚夫, 小島, 豊
Format Journal Article
LanguageJapanese
Published 日本腹部救急医学会 30.11.2003
Subjects
Online AccessGet full text
ISSN1340-2242
1882-4781
DOI10.11231/jaem1993.23.1095

Cover

More Information
Summary:症例は34歳, 女性. 腹痛と嘔吐を主訴に当院救急外来を受診した. 腹部単純X線, CT検査で管腔内に内容物が充満し, 拡張する小腸を認めた. 帝王切開の既往があるため, 術後癒着による絞扼性イレウスと診断し緊急手術を施行した. 回腹末端から口側約30cmの部位で腫瘤を認め, これより口側の腸管は拡張していた. 同部位に小切開を加えたところ, 約3×6cm大の俵状に一塊となった牛薄と人参を認めた. これによる食餌性イレウスと診断し, 異物を摘出しイレウスを解除した. 異物は前日に丸呑みしたきんぴらごぼうであった. 症例は全歯牙が融解, 欠損しており, 咀嚼が困難であった.
ISSN:1340-2242
1882-4781
DOI:10.11231/jaem1993.23.1095