著明な肥満を呈したLaurence-Moon-Biedl症候群の1例

178cm, 172kgという著明な肥満を呈した21才,男のLaurence-Moon-Biedl症候群を報告する.本症例は多指症以外の5徴候を有し,異常脳波と細尿管異常を疑わせる腎機能障害を認めた.本症例の内分泌機能にかんしては,甲状腺,副腎に異常はないがmetyrapone (metopirone)に反応せず,またインスリン低血糖に際しGH分泌が全くみられないことから,間脳・下垂体に何らかの異常が窺われる.一方,ゴナドトロピン測定,テストステロン分泌低下,睾丸組織所見,染色体等の所見からnormo-hypergonadotropic hypogonadismがあり, gonadal hyp...

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Published in日本内科学会雑誌 Vol. 61; no. 2; pp. 181 - 186
Main Authors 石川, 勝憲, 山本, 章, 五十嵐, 暢, 井上, 利道, 宮下, 孟士, 西川, 光夫
Format Journal Article
LanguageJapanese
Published 一般社団法人 日本内科学会 1972
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Summary:178cm, 172kgという著明な肥満を呈した21才,男のLaurence-Moon-Biedl症候群を報告する.本症例は多指症以外の5徴候を有し,異常脳波と細尿管異常を疑わせる腎機能障害を認めた.本症例の内分泌機能にかんしては,甲状腺,副腎に異常はないがmetyrapone (metopirone)に反応せず,またインスリン低血糖に際しGH分泌が全くみられないことから,間脳・下垂体に何らかの異常が窺われる.一方,ゴナドトロピン測定,テストステロン分泌低下,睾丸組織所見,染色体等の所見からnormo-hypergonadotropic hypogonadismがあり, gonadal hypoplasiaと考えられる.さらに耐糖能の低下,インスリン過剰分泌があり,血漿FFAは,糖負荷後一旦低下してからの再上昇が悪いが,空腹時FFA値は正常値を示し,単純性肥満と異なつた所見であるが,これは恐らく,著明な高インスリン血症およびGH分泌不全によるものと思われる.
ISSN:0021-5384
1883-2083
DOI:10.2169/naika.61.181