試作生検針を用いた経内頸静脈的肝生検法による診断成績

独自に試作した生検針を用いて経内頸静脈的肝生検を各種肝疾患125症例に施行した.生検針は原法で用いるRoss針とは刃先の切り口を逆側とし,スタイレットを備え,針先端の曲率半径R=90mmとR=60mmの二種類を作製した.125例中の123例で肝組織が採取でき,107例で正診が得られた〔sensitivity 87.0% (CI 81.1~92.9%, P=0.05), specificity 97.1% (CI94.1~100%, P=0.05), overall accuracy 94.4% (CI 90.3~98.5%, P=0.05)〕.肝硬変76症例では60例,78.9%で正診が得られ...

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Published in肝臓 Vol. 34; no. 5; pp. 400 - 406
Main Authors 多田, 教彦, 松坂, 聡, 小林, 正文, 金沢, 秀典
Format Journal Article
LanguageJapanese
Published 一般社団法人 日本肝臓学会 1993
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ISSN0451-4203
1881-3593
DOI10.2957/kanzo.34.400

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Summary:独自に試作した生検針を用いて経内頸静脈的肝生検を各種肝疾患125症例に施行した.生検針は原法で用いるRoss針とは刃先の切り口を逆側とし,スタイレットを備え,針先端の曲率半径R=90mmとR=60mmの二種類を作製した.125例中の123例で肝組織が採取でき,107例で正診が得られた〔sensitivity 87.0% (CI 81.1~92.9%, P=0.05), specificity 97.1% (CI94.1~100%, P=0.05), overall accuracy 94.4% (CI 90.3~98.5%, P=0.05)〕.肝硬変76症例では60例,78.9%で正診が得られた〔sensitivity 78.9% (CI 69.7~88.1%, P=0.05).specificity 100%, overall accuracy 87.0% (CI 79.4~94.6%, P=0.05)〕.正診できなかった原因は採取組織のfragmentationであった.その他の肝疾患では全例で正診が得られた.経皮的肝生検禁忌であった57例でも44例で正診が得られた.肝被膜の穿孔を2症例に認めた以外に重篤な合併症はなく,本生検針を使用した経内頸静脈的肝生検法は安全で有用な手技と考えられた.
ISSN:0451-4203
1881-3593
DOI:10.2957/kanzo.34.400