脊椎関節炎を伴った原発性硬化性胆管炎の1例

症例は73歳の女性. 多発関節痛と肝障害の精査加療目的に当科紹介入院となる. 胆道系酵素の上昇を主体とする肝機能異常と抗ミトコンドリア抗体陰性が認められ, ERCにて肝内胆管の数珠状変化および末梢肝内胆管枝の硬化像の所見があり, 肝生検組織では典型像を呈していないが原発性硬化性胆管炎と診断した. また, 炎症反応が比較的高度の血清リウマチ反応陰性の関節炎があり, 仙腸関節と末梢関節に病変が認められたことから脊椎関節炎と診断した. HLA B27は陰性で, 潰瘍性大腸炎の合併は認めなかった. これら疾患の合併は希であることから, 貴重な症例と考え報告した....

Full description

Saved in:
Bibliographic Details
Published in肝臓 Vol. 40; no. 7; pp. 404 - 408
Main Authors 東條, 淳, 黒田, 聖仁, 粕川, 禮司, 新澤, 穣太郎, 宮田, 昌之, 斉藤, 文子, 鈴木, 智浩, 西間, 木友衛, 大山, 仁, 大平, 弘正
Format Journal Article
LanguageJapanese
Published 一般社団法人 日本肝臓学会 25.07.1999
Subjects
Online AccessGet full text
ISSN0451-4203
1881-3593
DOI10.2957/kanzo.40.404

Cover

More Information
Summary:症例は73歳の女性. 多発関節痛と肝障害の精査加療目的に当科紹介入院となる. 胆道系酵素の上昇を主体とする肝機能異常と抗ミトコンドリア抗体陰性が認められ, ERCにて肝内胆管の数珠状変化および末梢肝内胆管枝の硬化像の所見があり, 肝生検組織では典型像を呈していないが原発性硬化性胆管炎と診断した. また, 炎症反応が比較的高度の血清リウマチ反応陰性の関節炎があり, 仙腸関節と末梢関節に病変が認められたことから脊椎関節炎と診断した. HLA B27は陰性で, 潰瘍性大腸炎の合併は認めなかった. これら疾患の合併は希であることから, 貴重な症例と考え報告した.
ISSN:0451-4203
1881-3593
DOI:10.2957/kanzo.40.404