有茎性嚢胞状発育を示した巨大胃平滑筋肉腫の1例
有茎性嚢胞状に発育した巨大胃平滑筋肉腫の1切除例を経験したので報告する.症例は45歳,男性で,右季肋部痛を主訴に近医を受診し,超音波検査で肝に接する嚢胞性腫瘤を認め,当科紹介となった.画像診断,内視鏡検査の結果,壁外性の胃粘膜下腫瘍,特に胃平滑筋肉腫が疑われた.平成9年1月,胃全摘リンパ節郭清,脾合併切除を施行した.腫瘍は胃大彎後壁より有茎性に発育し,大きさは18×12×10cm (800g), 充実性の中に嚢胞性変化を伴い,暗赤色の内容液 (150ml) を蓄えていた.胃粘膜は正常であった.病理組織学的には,免疫染色でsmooth muscle actinが陽性で,胃平滑筋肉腫と診断した.最...
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Published in | 日本臨床外科学会雑誌 Vol. 60; no. 4; pp. 973 - 977 |
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Main Authors | , , , , , |
Format | Journal Article |
Language | Japanese |
Published |
日本臨床外科学会
25.04.1999
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Subjects | |
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ISSN | 1345-2843 1882-5133 |
DOI | 10.3919/jjsa.60.973 |
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Summary: | 有茎性嚢胞状に発育した巨大胃平滑筋肉腫の1切除例を経験したので報告する.症例は45歳,男性で,右季肋部痛を主訴に近医を受診し,超音波検査で肝に接する嚢胞性腫瘤を認め,当科紹介となった.画像診断,内視鏡検査の結果,壁外性の胃粘膜下腫瘍,特に胃平滑筋肉腫が疑われた.平成9年1月,胃全摘リンパ節郭清,脾合併切除を施行した.腫瘍は胃大彎後壁より有茎性に発育し,大きさは18×12×10cm (800g), 充実性の中に嚢胞性変化を伴い,暗赤色の内容液 (150ml) を蓄えていた.胃粘膜は正常であった.病理組織学的には,免疫染色でsmooth muscle actinが陽性で,胃平滑筋肉腫と診断した.最大径15cm以上の有茎性巨大胃平滑筋肉腫は稀で,自験例を含め10例の本邦報告例があるにすぎないことから文献的考察を加えて報告した. |
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ISSN: | 1345-2843 1882-5133 |
DOI: | 10.3919/jjsa.60.973 |