血小板粒度分布に対するヘパリンの影響について

血液透析(HD)開始時、血小板数の減少ならびにβ-thromboglobulin (β-TG)および血小板第4因子(PF-4)の上昇がみられる。これらに対するヘパリンの影響を調べるために、HD開始初期投与量に相当するヘパリン2000単位を経静脈的に投与し、血小板数、血小板粒度分布、β-TGおよびPF-4の変化を観察した。ヘパリン投与後、血小板数は有意に減少し、粒度分布では大型血小板数が有意に減少した。また、β-TGに変化はなかったが、PF-4は有意に上昇した。以上のことから、HD中、体外循環による影響と共に抗凝固剤として投与するヘパリン自体に、血小板に対する作用を有することが確認された。...

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Published in人工臓器 Vol. 15; no. 3; pp. 1315 - 1317
Main Authors 海本, 浩一, 泉, 暢英, 前川, たかし, 加藤, 禎一, 吉本, 忍, 田中, 寛, 岸本, 武利, 前川, 正信
Format Journal Article
LanguageJapanese
Published 一般社団法人 日本人工臓器学会 1986
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Summary:血液透析(HD)開始時、血小板数の減少ならびにβ-thromboglobulin (β-TG)および血小板第4因子(PF-4)の上昇がみられる。これらに対するヘパリンの影響を調べるために、HD開始初期投与量に相当するヘパリン2000単位を経静脈的に投与し、血小板数、血小板粒度分布、β-TGおよびPF-4の変化を観察した。ヘパリン投与後、血小板数は有意に減少し、粒度分布では大型血小板数が有意に減少した。また、β-TGに変化はなかったが、PF-4は有意に上昇した。以上のことから、HD中、体外循環による影響と共に抗凝固剤として投与するヘパリン自体に、血小板に対する作用を有することが確認された。
ISSN:0300-0818
1883-6097
DOI:10.11392/jsao1972.15.1315