慢性肝炎の長期予後因子の検討
慢性肝炎から肝硬変への進展に重要な予後因子と,長期副腎皮質ステロイド投与による慢性肝炎の遠隔治療成績を,肝硬変へ進展した83例と5年間以上慢性肝炎として経過観察した94例の計177例を対象とし,生命表法を用いて統計学的に検討した.Kaplan-Meier法およびCoxの重回帰型生命表法の両法の進展率曲線は殆ど一致し,Cox法による検討の有効性を支持した.肝硬変への50%進展年数は10.2年であった.Cox法によると予後因子は組織分類,HBsAg,番地分類,KICG値の順に重要で,ステロイド治療歴は長期予後とは有意の関連がなかった.各因子独自の肝硬変への進展に及ぼす影響度を補正50%進展年数で具...
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Published in | 肝臓 Vol. 27; no. 3; pp. 317 - 323 |
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Main Authors | , , , , , , , , , |
Format | Journal Article |
Language | Japanese |
Published |
一般社団法人 日本肝臓学会
1986
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Subjects | |
Online Access | Get full text |
ISSN | 0451-4203 1881-3593 |
DOI | 10.2957/kanzo.27.317 |
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Summary: | 慢性肝炎から肝硬変への進展に重要な予後因子と,長期副腎皮質ステロイド投与による慢性肝炎の遠隔治療成績を,肝硬変へ進展した83例と5年間以上慢性肝炎として経過観察した94例の計177例を対象とし,生命表法を用いて統計学的に検討した.Kaplan-Meier法およびCoxの重回帰型生命表法の両法の進展率曲線は殆ど一致し,Cox法による検討の有効性を支持した.肝硬変への50%進展年数は10.2年であった.Cox法によると予後因子は組織分類,HBsAg,番地分類,KICG値の順に重要で,ステロイド治療歴は長期予後とは有意の関連がなかった.各因子独自の肝硬変への進展に及ぼす影響度を補正50%進展年数で具体的に表わすと chronic aggressive hepatitis; activity severe,腹腔鏡300番地,HBsAg陽性,chronic aggressive hepatitis; activity moderateの順で5.0, 5.2, 5.4, 7.8年であった. |
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ISSN: | 0451-4203 1881-3593 |
DOI: | 10.2957/kanzo.27.317 |