Recombinant CYP2D6蛋白抗原を用いたELISAによる抗LKM-1抗体検出法

抗LKM-1抗体検出法として, recombinant CYP2D6蛋白を抗原とする酵素抗体法 (ELISA) を確立し, その臨床的有用性を検討した. 対象として, 自己免疫性肝炎 (AIH) II型14例およびC型慢性肝炎 (CH-C) 218例を含む各種肝疾患317例と, 非肝疾患15例, 健常人100例の計432症例を用いた. 間接蛍光抗体法 (IIF) による抗体検索では, AIH II型群中14例 (100.0%) とCH-C群中7例 (3.2%) に抗LKM-1抗体が検出された. 一方ELISAでは, AIH II型群とIIFにて抗LKM-1抗体陽性となるCH-C群において, そ...

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Published in肝臓 Vol. 39; no. 6; pp. 366 - 373
Main Authors 細見, 直樹, 有馬, 啓治, 河野, 一実, 黒河内, 和貴, 渡辺, 精四郎, 西岡, 幹夫
Format Journal Article
LanguageJapanese
Published 一般社団法人 日本肝臓学会 25.06.1998
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Summary:抗LKM-1抗体検出法として, recombinant CYP2D6蛋白を抗原とする酵素抗体法 (ELISA) を確立し, その臨床的有用性を検討した. 対象として, 自己免疫性肝炎 (AIH) II型14例およびC型慢性肝炎 (CH-C) 218例を含む各種肝疾患317例と, 非肝疾患15例, 健常人100例の計432症例を用いた. 間接蛍光抗体法 (IIF) による抗体検索では, AIH II型群中14例 (100.0%) とCH-C群中7例 (3.2%) に抗LKM-1抗体が検出された. 一方ELISAでは, AIH II型群とIIFにて抗LKM-1抗体陽性となるCH-C群において, その抗体活性は有意に高値であり (AIH II型群; p<0.0001, 抗LKM-1抗体陽性CH-C群; p<0.0001), これら21症例のみが本抗体陽性と判定された. つぎにELISA抗体活性とIIF力価との関連性について検討すると, AIH II型群; r=0.833, p<0.001, 抗LKM-1抗体陽性CH-C群; r=0.927, p<0.005であり, 両法により得られた結果においても高い相関性が確認された. またさらに, ELISA陽性例につきWestern blot法にて特異性を検証したところ, 全ての症例が陽性であった. 以上より本ELISAはIIFやWestern blotと同等の抗LKM-1抗体検出能をもち, さらに簡便性・定量性などの利点から, これら従来の検査法に代わる本抗体検出法として, 有用性と実用性が示された.
ISSN:0451-4203
1881-3593
DOI:10.2957/kanzo.39.366