多発性筋肉内転移と続発性アミロイドーシスを呈した腎細胞癌の1例

73歳の女性で腎癌の手術後,上下肢と殿部の筋肉内に転移巣が出現した.入院時,甲状腺機能低下症を認め,ホルモンの補充療法を行ったが死亡した.生検針での組織採取の結果,心筋の著しい変性と,心と肝にアミロイドの沈着を認めた.甲状腺機能低下に心へのアミロイド沈着が加わり,難治性心不全を呈したと考えられた,腎癌はアミロイドーシス合併の頻度が比較的高いことに留意して全身状態の管理に臨むことが重要である....

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Published in日本内科学会雑誌 Vol. 83; no. 1; pp. 130 - 132
Main Authors 中島, 克明, 南, 雄三, 吉田, 秀雄, 榎本, 巧, 花田, 正人
Format Journal Article
LanguageJapanese
Published 一般社団法人 日本内科学会 1994
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Summary:73歳の女性で腎癌の手術後,上下肢と殿部の筋肉内に転移巣が出現した.入院時,甲状腺機能低下症を認め,ホルモンの補充療法を行ったが死亡した.生検針での組織採取の結果,心筋の著しい変性と,心と肝にアミロイドの沈着を認めた.甲状腺機能低下に心へのアミロイド沈着が加わり,難治性心不全を呈したと考えられた,腎癌はアミロイドーシス合併の頻度が比較的高いことに留意して全身状態の管理に臨むことが重要である.
ISSN:0021-5384
1883-2083
DOI:10.2169/naika.83.130