乳腺cystic hypersecretory carcinomaの1例

今回稀な乳腺cystic hypersecretory carcinomaの1例を経験したので報告する. 66歳,女性.右乳房腫瘤を主訴に当科を紹介受診した.触診上,右乳房外上領域に楕円形,弾性硬な38×28mmの腫瘤が認められ,マンモグラフィでは境界微細鋸歯状な高濃度の腫瘤とその末梢側の非対称性高濃度部が認められた.超音波検査では乳頭直下の乳管拡張と小嚢胞が集合する低エコー性腫瘤が認められた.穿刺吸引細胞診では,多量の分泌物様成分の中に異型を伴わない上皮細胞のシート状集塊が散見され, Class II.切開生検を施行.組織学的には,大小の嚢胞が集合し,その内部には好酸性の分泌物が充満し,わず...

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Published in日本臨床外科学会雑誌 Vol. 67; no. 2; pp. 293 - 296
Main Authors 古川, 恵子, 秋山, 太, 西村, 誠一郎, 坂元, 吾偉, 小倉, 廣之, 多田, 隆士, 霞, 富士雄
Format Journal Article
LanguageJapanese
Published 日本臨床外科学会 25.02.2006
Subjects
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ISSN1345-2843
1882-5133
DOI10.3919/jjsa.67.293

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Summary:今回稀な乳腺cystic hypersecretory carcinomaの1例を経験したので報告する. 66歳,女性.右乳房腫瘤を主訴に当科を紹介受診した.触診上,右乳房外上領域に楕円形,弾性硬な38×28mmの腫瘤が認められ,マンモグラフィでは境界微細鋸歯状な高濃度の腫瘤とその末梢側の非対称性高濃度部が認められた.超音波検査では乳頭直下の乳管拡張と小嚢胞が集合する低エコー性腫瘤が認められた.穿刺吸引細胞診では,多量の分泌物様成分の中に異型を伴わない上皮細胞のシート状集塊が散見され, Class II.切開生検を施行.組織学的には,大小の嚢胞が集合し,その内部には好酸性の分泌物が充満し,わずかに低乳頭状に増殖した上皮細胞の一部に核クロマチンが増量した異型細胞により裏打ちされていた.断端陽性のため乳房切除術を施行した.明らかな浸潤巣は認められないが,腋窩リンパ節に1個微小転移を認め,最終的にinvasive cystic hypersecretory carcinomaと診断された.
ISSN:1345-2843
1882-5133
DOI:10.3919/jjsa.67.293