全周性狭窄像を示した上行結腸脂肪腫の1例
消化管脂肪腫は通常は無茎性,有茎性に粘膜下腫瘍の形態を示し,内視鏡, CT検査などで特異的所見を呈するので診断は比較的容易と考えられる.われわれは,注腸造影で全周性狭窄像,いわゆるapplecoresignを呈した結腸脂肪腫を経験した.症例は60歳,男性,腸閉塞で入院し注腸検査で大腸癌と診断したが,大腸内視鏡検査で否定された.非上皮性腫瘍の診断で開腹手術を行った.上行結腸に10cm大の腫瘤が存在し,悪性も否定できず結腸右半切除術を施行した.病理学的には固有筋層から漿膜側に連続して脂肪組織病変が存在した.成熟した脂肪細胞で悪性所見はなく脂肪腫と診断した....
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Published in | 日本臨床外科学会雑誌 Vol. 63; no. 4; pp. 932 - 935 |
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Main Authors | , , , , , |
Format | Journal Article |
Language | Japanese |
Published |
日本臨床外科学会
25.04.2002
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Subjects | |
Online Access | Get full text |
ISSN | 1345-2843 1882-5133 |
DOI | 10.3919/jjsa.63.932 |
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Summary: | 消化管脂肪腫は通常は無茎性,有茎性に粘膜下腫瘍の形態を示し,内視鏡, CT検査などで特異的所見を呈するので診断は比較的容易と考えられる.われわれは,注腸造影で全周性狭窄像,いわゆるapplecoresignを呈した結腸脂肪腫を経験した.症例は60歳,男性,腸閉塞で入院し注腸検査で大腸癌と診断したが,大腸内視鏡検査で否定された.非上皮性腫瘍の診断で開腹手術を行った.上行結腸に10cm大の腫瘤が存在し,悪性も否定できず結腸右半切除術を施行した.病理学的には固有筋層から漿膜側に連続して脂肪組織病変が存在した.成熟した脂肪細胞で悪性所見はなく脂肪腫と診断した. |
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ISSN: | 1345-2843 1882-5133 |
DOI: | 10.3919/jjsa.63.932 |