足底多汗症に対する内視鏡的腰部交感神経遮断術4例の検討

足底の発汗過多を主訴とする足底多汗症に対して内視鏡的腰部交感神経遮断術を行い,検討を加えた.対象は4例7肢.検討項目は年齢,性別,多汗症に関する家族歴と既往歴,観察期間,発汗過多部位,手術時間,術後入院期間,遮断方法,発汗停止部位,代償性発汗部位,術後合併症.結果は全例で治療が有効であり,最長40カ月の経過観察で再発を認めなかった.重篤な術後合併症は男性の1例で一過性の勃起障害を認めた.内視鏡的腰部交感神経遮断術の手術手技は手術用手袋に600~800mlの生食を注入し人工的な後腹膜腔を作製した.次いで炭酸ガスで8~12mmHgに保ち, 3ないし4本のトロッカーから腰部交感神経幹L2-4の範囲を...

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Published in日本臨床外科学会雑誌 Vol. 64; no. 2; pp. 501 - 505
Main Authors 松橋, 亘, 梅津, 荘一, 佐々木, 勝海, 石原, 哲
Format Journal Article
LanguageEnglish
Published 日本臨床外科学会 25.02.2003
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Summary:足底の発汗過多を主訴とする足底多汗症に対して内視鏡的腰部交感神経遮断術を行い,検討を加えた.対象は4例7肢.検討項目は年齢,性別,多汗症に関する家族歴と既往歴,観察期間,発汗過多部位,手術時間,術後入院期間,遮断方法,発汗停止部位,代償性発汗部位,術後合併症.結果は全例で治療が有効であり,最長40カ月の経過観察で再発を認めなかった.重篤な術後合併症は男性の1例で一過性の勃起障害を認めた.内視鏡的腰部交感神経遮断術の手術手技は手術用手袋に600~800mlの生食を注入し人工的な後腹膜腔を作製した.次いで炭酸ガスで8~12mmHgに保ち, 3ないし4本のトロッカーから腰部交感神経幹L2-4の範囲を電気凝固ないしは超音波凝固により遮断した.神経節の部位は術中のX線で確認した.内視鏡的交感神経遮断術は手掌多汗症と同様に足底多汗症でも適応となり得る術式であることが示された.
ISSN:1345-2843
1882-5133
DOI:10.3919/jjsa.64.501