顕著な男性化徴候を呈した副副腎androgen産生Leydig細胞腫の1例

男性化症状を呈する21才,女性を精査したところ,まれな副副腎Leydig細胞腫であったので報告する.患者は初潮がなく, 17才時顎髯と下肢体毛に気づいた. 18才時のホルモン投与も20才時の卵巣楔状切除術も無効であった.血中testostterone,尿中17-KSは異常高値で,血中DHEA-S, androstenedioneも高かった. CTにて左腎の上に副腎像と腫瘍像,シンチでは左副腎付近に集積がみられ,選択的副腎静脈採血でも同部位の異常が確認できた.腫瘍は98gで正常副腎に付着しており, Reinke結晶を有するLeydig細胞,骨髄様脂肪化生巣より構成されており,病理学的には悪性副副...

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Published in日本内科学会雑誌 Vol. 78; no. 4; pp. 549 - 556
Main Authors 前田, 益孝, 中西, 太一, 笹岡, 拓雄, 東海林, 隆男, 木嶋, 祥麿, 小沢, 潔
Format Journal Article
LanguageJapanese
Published 一般社団法人 日本内科学会 1989
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ISSN0021-5384
1883-2083
DOI10.2169/naika.78.549

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Summary:男性化症状を呈する21才,女性を精査したところ,まれな副副腎Leydig細胞腫であったので報告する.患者は初潮がなく, 17才時顎髯と下肢体毛に気づいた. 18才時のホルモン投与も20才時の卵巣楔状切除術も無効であった.血中testostterone,尿中17-KSは異常高値で,血中DHEA-S, androstenedioneも高かった. CTにて左腎の上に副腎像と腫瘍像,シンチでは左副腎付近に集積がみられ,選択的副腎静脈採血でも同部位の異常が確認できた.腫瘍は98gで正常副腎に付着しており, Reinke結晶を有するLeydig細胞,骨髄様脂肪化生巣より構成されており,病理学的には悪性副副腎Leydig細胞腫であった.本腫瘍はまれで,病理学的,発生学的に貴重な1例である.
ISSN:0021-5384
1883-2083
DOI:10.2169/naika.78.549