末梢神経障害を伴ったeosinophilic fasciitisの1例

症例は17才,男性. 13才時,運動後に両側前腕の発赤,疼痛を伴う腫脹が出現,その後両側膝関節周囲の炎症が出現し,以後症状の消長を繰り返す. 15才時,四肢末端の知覚障害,四肢の運動後脱力症状が出現. 16才時,当科入院となる.末梢血に軽度の好酸球増加および血清lgEの高値を認めるも,その他の検査所見は正常であった.左前腕の筋生検にて治癒過程にある筋膜の炎症性変化が認められ, eosinophilic fasciitisと診断された.また神経には組織学的に異常所見を認めなかった.ステロイドホルモンを投与するも著効なく,免疫抑制薬にも一時的に反応するのみであった.末梢神経障害を伴う点とも併せて,...

Full description

Saved in:
Bibliographic Details
Published in日本内科学会雑誌 Vol. 77; no. 3; pp. 370 - 374
Main Authors 山田, 明, 野島, 美久, 高野, 清豪, 寺井, 千尋, 高久, 史麿, 清水, 輝夫, 富谷, 智明, 世古, 義規, 井上, 聖啓, 黒尾, 誠
Format Journal Article
LanguageJapanese
Published 一般社団法人 日本内科学会 1988
Online AccessGet full text
ISSN0021-5384
1883-2083
DOI10.2169/naika.77.370

Cover

More Information
Summary:症例は17才,男性. 13才時,運動後に両側前腕の発赤,疼痛を伴う腫脹が出現,その後両側膝関節周囲の炎症が出現し,以後症状の消長を繰り返す. 15才時,四肢末端の知覚障害,四肢の運動後脱力症状が出現. 16才時,当科入院となる.末梢血に軽度の好酸球増加および血清lgEの高値を認めるも,その他の検査所見は正常であった.左前腕の筋生検にて治癒過程にある筋膜の炎症性変化が認められ, eosinophilic fasciitisと診断された.また神経には組織学的に異常所見を認めなかった.ステロイドホルモンを投与するも著効なく,免疫抑制薬にも一時的に反応するのみであった.末梢神経障害を伴う点とも併せて,貴重な症例と考え報告した.
ISSN:0021-5384
1883-2083
DOI:10.2169/naika.77.370