乳頭異常分泌症のMRマンモグラフィによるスクリーニング法

乳頭異常分泌症の診断には,分泌液の細胞診, CEA測定,乳管造影,乳管内視鏡が有用とされる.しかし,時には診断に苦慮することもあり,簡便で有効な検査方法が待たれている.われわれは,乳頭異常分泌症の診断にMRマンモグラフィ(MRM)が有用ではないかと考え, MRMの画像所見と病理組織診断の対比を行った.対象はMRMを施行され,さらに手術,生検で病理組織診断の確定した乳頭異常分泌症35例とした.画像所見はMRMで造影効果のあった領域の形態・分布と,ダイナミック曲線の特徴で分類した.乳癌を示唆する画像所見の感度は93% (14/15)で,乳腺症を示唆する所見の特異度は100% (26/26)であった...

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Published in日本臨床外科学会雑誌 Vol. 67; no. 2; pp. 271 - 276
Main Authors 佐貫, 潤一, 坂本, 尚美, 岡本, 恭和, 木村, 聖美, 比嘉, 国基, 和田守, 憲二, 名川, 弘一, 角田, ゆう子, 内田, 恵博, 福間, 英祐, 田中, 久美子
Format Journal Article
LanguageJapanese
Published 日本臨床外科学会 25.02.2006
Subjects
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ISSN1345-2843
1882-5133
DOI10.3919/jjsa.67.271

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Summary:乳頭異常分泌症の診断には,分泌液の細胞診, CEA測定,乳管造影,乳管内視鏡が有用とされる.しかし,時には診断に苦慮することもあり,簡便で有効な検査方法が待たれている.われわれは,乳頭異常分泌症の診断にMRマンモグラフィ(MRM)が有用ではないかと考え, MRMの画像所見と病理組織診断の対比を行った.対象はMRMを施行され,さらに手術,生検で病理組織診断の確定した乳頭異常分泌症35例とした.画像所見はMRMで造影効果のあった領域の形態・分布と,ダイナミック曲線の特徴で分類した.乳癌を示唆する画像所見の感度は93% (14/15)で,乳腺症を示唆する所見の特異度は100% (26/26)であった.本分類を用いたMRMの診断は,生検や乳管内視鏡を行う前のスクリーニング法として有用で,経過観察可能な症例と,癌を疑って速やかに的確な診断を行うべき症例の鑑別指標のひとつと考えられた.
ISSN:1345-2843
1882-5133
DOI:10.3919/jjsa.67.271