冠動脈バイパス術後,右開胸下に人工弁置換術を施行した虚血性僧帽弁閉鎖不全症の1例
冠動脈バイパス術 (CABG) 後の虚血性心筋症に伴う僧帽弁閉鎖不全症に対して,右開胸アプローチより僧帽弁置換術を行い,良好な結果を得たので報告する.症例はCABGおよび経皮的冠動脈形成術の既往のある70歳,男性. NYHAIV度の心不全にて再入院となった.冠動脈造影ではグラフトの開存が確認されたが,心エコー上mitralleaflet tetheringがみられ,虚血性僧帽弁閉鎖不全症 (IMR) と診断された.手術は右開胸アプローチより行った.右上腕動脈と右大腿動脈に送血管を,右大腿静脈より右心房に脱血管を挿入し,人工心肺を確立した.中等度低体温下にペーシング付スワンガンツカテーテルにて心...
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Published in | 日本臨床外科学会雑誌 Vol. 67; no. 2; pp. 311 - 315 |
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Main Authors | , , , |
Format | Journal Article |
Language | Japanese |
Published |
日本臨床外科学会
25.02.2006
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Subjects | |
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ISSN | 1345-2843 1882-5133 |
DOI | 10.3919/jjsa.67.311 |
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Summary: | 冠動脈バイパス術 (CABG) 後の虚血性心筋症に伴う僧帽弁閉鎖不全症に対して,右開胸アプローチより僧帽弁置換術を行い,良好な結果を得たので報告する.症例はCABGおよび経皮的冠動脈形成術の既往のある70歳,男性. NYHAIV度の心不全にて再入院となった.冠動脈造影ではグラフトの開存が確認されたが,心エコー上mitralleaflet tetheringがみられ,虚血性僧帽弁閉鎖不全症 (IMR) と診断された.手術は右開胸アプローチより行った.右上腕動脈と右大腿動脈に送血管を,右大腿静脈より右心房に脱血管を挿入し,人工心肺を確立した.中等度低体温下にペーシング付スワンガンツカテーテルにて心室細動を誘発し,生体弁による僧帽弁置換術 (MVR) を施行し,経過は良好であった. CABG後のIMRに対して,右開胸アプローチによるMVRは,比較的安全で容易な方法であると考えられた. |
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ISSN: | 1345-2843 1882-5133 |
DOI: | 10.3919/jjsa.67.311 |