B型及びC型慢性肝炎におけるインターフェロン治療による肝病変の改善度の検討
慢性B(B-CAVH)及びC(C-CAVH)型肝炎のインターフェロン(IFN)治療前後の肝生検組織像を比較し,両者の相違点に関して検討した.対象はIFN単独及びcorticoste-roid (CS)併用療法を行ったB-CAVH群50例及びC-CAVH群37例である.方法は治療前後の肝生検組織像を,HAI-scoreを若干変更し両群の差異に関して検討した.さらに肝内HBV関連抗原およびHCVコア部分抗原を酵素抗体法にて検討した.その結果,C-CAVHはB-CAVHに比してperi portal necrosisが弱く,portal inflammationが強かった.またIFNの有効率はB型3...
Saved in:
Published in | 肝臓 Vol. 34; no. 5; pp. 375 - 384 |
---|---|
Main Authors | , , , , , , , , , , , , , , , , , , , |
Format | Journal Article |
Language | Japanese |
Published |
一般社団法人 日本肝臓学会
1993
|
Subjects | |
Online Access | Get full text |
ISSN | 0451-4203 1881-3593 |
DOI | 10.2957/kanzo.34.375 |
Cover
Summary: | 慢性B(B-CAVH)及びC(C-CAVH)型肝炎のインターフェロン(IFN)治療前後の肝生検組織像を比較し,両者の相違点に関して検討した.対象はIFN単独及びcorticoste-roid (CS)併用療法を行ったB-CAVH群50例及びC-CAVH群37例である.方法は治療前後の肝生検組織像を,HAI-scoreを若干変更し両群の差異に関して検討した.さらに肝内HBV関連抗原およびHCVコア部分抗原を酵素抗体法にて検討した.その結果,C-CAVHはB-CAVHに比してperi portal necrosisが弱く,portal inflammationが強かった.またIFNの有効率はB型30%,C型40%であり,治療後に両群共に著しい炎症反応の改善を認めたが,この改善度には両者間での差異はなかった.またIFN有効例は,B, C-CAVH共に線維化が軽度で炎症反応の軽い例に,またC-CAVHでは肝内virus抗原量の少ない例にIFN有効例が多く認められ,これら肝組織所見はIFN治療の予後推定因子として重要と思われる. |
---|---|
ISSN: | 0451-4203 1881-3593 |
DOI: | 10.2957/kanzo.34.375 |