体外循環に使用後,分枝再建に利用したePTFE人工血管による遅発性seroma

症例は66歳,男性で,急性大動脈解離(Stanford A型)に対し上行弓部置換術を行った.そのさい,左腋窩動脈にePTFE人工血管を吻合し体外循環の送血路とした.弓部分枝再建のさいに左腋窩動脈はDacron人工血管と送血路として使用したePTFE人工血管を端々吻合し,ePTFE人工血管末梢吻合部を利用した.術後3ヵ月目ころから左鎖骨下に膨隆を認め,CT,穿刺所見からseromaと診断した.穿刺,ドレナージをくり返したが軽快せず,全身麻酔下にePTFEを切除しDacron人工血管に置換した.術後seromaは治癒した....

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Published in日本心臓血管外科学会雑誌 Vol. 34; no. 4; pp. 265 - 267
Main Authors 眞岸, 克明, 和泉, 裕一, 石川, 訓行
Format Journal Article
LanguageJapanese
Published 特定非営利活動法人 日本心臓血管外科学会 15.07.2005
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Summary:症例は66歳,男性で,急性大動脈解離(Stanford A型)に対し上行弓部置換術を行った.そのさい,左腋窩動脈にePTFE人工血管を吻合し体外循環の送血路とした.弓部分枝再建のさいに左腋窩動脈はDacron人工血管と送血路として使用したePTFE人工血管を端々吻合し,ePTFE人工血管末梢吻合部を利用した.術後3ヵ月目ころから左鎖骨下に膨隆を認め,CT,穿刺所見からseromaと診断した.穿刺,ドレナージをくり返したが軽快せず,全身麻酔下にePTFEを切除しDacron人工血管に置換した.術後seromaは治癒した.
ISSN:0285-1474
1883-4108
DOI:10.4326/jjcvs.34.265