虫垂切除術における腹腔鏡下手術と開腹手術の比較検討

近年, 急性虫垂炎に対する治療として腹腔鏡下虫垂切除術が行われている. 今回, 過去3年間に当院で行われた虫垂炎手術を腹腔鏡群と開腹群に分け, 性別, 年齢, 術後食事開始時期, 鎮痛剤の使用回数, 手術時間, 合併症の有無, 総コスト, 在院日数を比較検討した. 結果として, 腹腔鏡群において, 手術時間は長く, 合併症は少なく, コストは高く, 在院日数は短かった. また, 進行度により軽症群, 重症群に分け同様の比較検討をした. 重症群では, 開腹群に比較して合併症が少なく在院日数が少なくなるという, 腹腔鏡群の利点が強調された. また, 軽症群では開腹群と比べて腹腔鏡群の合併症が増える...

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Published in日本腹部救急医学会雑誌 Vol. 23; no. 7; pp. 1017 - 1021
Main Authors 神谷, 諭, 久保田, 仁, 佐藤, 太一, 鈴木, 秀昭, 住田, 亙, 浅羽, 雄太郎
Format Journal Article
LanguageJapanese
Published 日本腹部救急医学会 30.11.2003
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ISSN1340-2242
1882-4781
DOI10.11231/jaem1993.23.1017

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Summary:近年, 急性虫垂炎に対する治療として腹腔鏡下虫垂切除術が行われている. 今回, 過去3年間に当院で行われた虫垂炎手術を腹腔鏡群と開腹群に分け, 性別, 年齢, 術後食事開始時期, 鎮痛剤の使用回数, 手術時間, 合併症の有無, 総コスト, 在院日数を比較検討した. 結果として, 腹腔鏡群において, 手術時間は長く, 合併症は少なく, コストは高く, 在院日数は短かった. また, 進行度により軽症群, 重症群に分け同様の比較検討をした. 重症群では, 開腹群に比較して合併症が少なく在院日数が少なくなるという, 腹腔鏡群の利点が強調された. また, 軽症群では開腹群と比べて腹腔鏡群の合併症が増えることはなかった. 以上の結果より, 腹腔鏡下虫垂切除術は虫垂炎手術の第一選択となりうると考えられた.
ISSN:1340-2242
1882-4781
DOI:10.11231/jaem1993.23.1017