プラズマフィルトレーションによるMNMSの原因物質の探索と予防法について

今厨我々は, 急性動脈閉塞症の重篤な合併症であるMNMSの原因, 治療法を検索するための実験モデルを新たに考案, 作製した。雑種成犬両後肢筋を生食中で融解させ, 抽出液を作製し, 他の成犬に点滴静注した群(Control群)と抽出液にプラズマフィルトレーションを施行した後に点滴静注した群(Filtration群)とを比較, 検討した。Control群の死亡は, 6例中5例, Fittration群は, 6例中1例と, Filtration群に死亡率の低下を認めた。また, GPK, アルドラーゼなどの低下を認め, K, 乳酸, BUNにおいても有意差を認めた。急性動脈閉塞により発生する異常代謝産...

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Published in人工臓器 Vol. 16; no. 2; pp. 1069 - 1072
Main Authors 井上, 正昭, 篠原, 裕希, 一和多, 雅雄, 前田, 英明, 中西, 光, 尾碕, 俊造, 萩原, 秀男, 河野, 秀男, 鈴木, 実, 石井, 良幸, 鈴木, 克行, 根岸, 七雄, 新野, 成隆, 瀬在, 幸安
Format Journal Article
LanguageJapanese
Published 一般社団法人 日本人工臓器学会 1987
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ISSN0300-0818
1883-6097
DOI10.11392/jsao1972.16.1069

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Summary:今厨我々は, 急性動脈閉塞症の重篤な合併症であるMNMSの原因, 治療法を検索するための実験モデルを新たに考案, 作製した。雑種成犬両後肢筋を生食中で融解させ, 抽出液を作製し, 他の成犬に点滴静注した群(Control群)と抽出液にプラズマフィルトレーションを施行した後に点滴静注した群(Filtration群)とを比較, 検討した。Control群の死亡は, 6例中5例, Fittration群は, 6例中1例と, Filtration群に死亡率の低下を認めた。また, GPK, アルドラーゼなどの低下を認め, K, 乳酸, BUNにおいても有意差を認めた。急性動脈閉塞により発生する異常代謝産物の除去に, ブラズマフィルトレーションは有効であると思われ, MNMSの予防および治療に新しい展開を生みだすであろうと思われた。
ISSN:0300-0818
1883-6097
DOI:10.11392/jsao1972.16.1069