僧帽弁前尖から発生した粘液腫の1治験例
心臓腫瘍中, 粘液腫は比較的多いが心臓弁から発生することは稀である. 今回, 心雑音を指摘された65歳の女性の僧帽弁前尖に発生した心臓腫瘍を経験した. 手術は体外循環下に左房切開で16×13×10mm大腫瘍を摘出し, 僧帽弁前尖の腫瘍附着部の茎部は不明瞭で, 表面は平滑で, また, 左室側の僧帽弁前尖には触診にても異常物を認めなかった. また, 僧帽弁逆流試験でも逆流を認めないので僧帽弁置換は施行しなかった. 組織所見で腫瘍は粘液腫であった. 患者は術後6年を経過し, 元気に日常生活を送っている. 僧帽弁由来の粘液腫の手術例の報告は, 非常に稀なので文献的考察を加え報告した....
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Published in | 日本心臓血管外科学会雑誌 Vol. 24; no. 5; pp. 330 - 332 |
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Main Authors | , , , , , |
Format | Journal Article |
Language | Japanese |
Published |
特定非営利活動法人 日本心臓血管外科学会
15.09.1995
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Subjects | |
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ISSN | 0285-1474 1883-4108 |
DOI | 10.4326/jjcvs.24.330 |
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Summary: | 心臓腫瘍中, 粘液腫は比較的多いが心臓弁から発生することは稀である. 今回, 心雑音を指摘された65歳の女性の僧帽弁前尖に発生した心臓腫瘍を経験した. 手術は体外循環下に左房切開で16×13×10mm大腫瘍を摘出し, 僧帽弁前尖の腫瘍附着部の茎部は不明瞭で, 表面は平滑で, また, 左室側の僧帽弁前尖には触診にても異常物を認めなかった. また, 僧帽弁逆流試験でも逆流を認めないので僧帽弁置換は施行しなかった. 組織所見で腫瘍は粘液腫であった. 患者は術後6年を経過し, 元気に日常生活を送っている. 僧帽弁由来の粘液腫の手術例の報告は, 非常に稀なので文献的考察を加え報告した. |
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ISSN: | 0285-1474 1883-4108 |
DOI: | 10.4326/jjcvs.24.330 |