破裂末梢性前大脳動脈瘤18例の検討
島根県立中央病院脳神経外科において経験した破裂末梢性前大脳動脈瘤18例を, 発生部位によって, (A) 前交通動脈分岐部から脳梁膝部の間, (B) 脳梁膝部周囲, (C) 脳梁体部の3群に分類し, 発生頻度, 臨床像, 神経放射線学的所見, 予後などについて比較検討した.本動脈瘤の発生部位は, (B) 群に72%と集中していた.入院時gradeIV, Vは, (A) 群0%, (B) 群31%, (C) 群100%であった.臨床症状は, 意識障害が (A) 群0%, (B) 群62%, (C)群100%で, 運動麻痺は (A) 群0%, (B) 群46%, (C) 群67%であった.CT上クモ...
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Published in | 脳卒中 Vol. 9; no. 4; pp. 304 - 310 |
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Main Authors | , , , , |
Format | Journal Article |
Language | Japanese |
Published |
一般社団法人 日本脳卒中学会
1987
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Online Access | Get full text |
ISSN | 0912-0726 1883-1923 |
DOI | 10.3995/jstroke.9.304 |
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Summary: | 島根県立中央病院脳神経外科において経験した破裂末梢性前大脳動脈瘤18例を, 発生部位によって, (A) 前交通動脈分岐部から脳梁膝部の間, (B) 脳梁膝部周囲, (C) 脳梁体部の3群に分類し, 発生頻度, 臨床像, 神経放射線学的所見, 予後などについて比較検討した.本動脈瘤の発生部位は, (B) 群に72%と集中していた.入院時gradeIV, Vは, (A) 群0%, (B) 群31%, (C) 群100%であった.臨床症状は, 意識障害が (A) 群0%, (B) 群62%, (C)群100%で, 運動麻痺は (A) 群0%, (B) 群46%, (C) 群67%であった.CT上クモ膜下出血の程度は3群間で差はなかったが, 脳内血腫合併例は (A) 群0%, (B) 群46%, (C) 群100%であった.予後は非手術群では3群間に差はなく, いずれも不良であったが, 手術群では (A), (B) 群に比べ (C) 群は良好とはいえなかった.すなわち本動脈瘤は, 発生部位が末梢になるほど脳内血腫の合併率が高くなり, これによって臨床像, 予後ともに不良となる傾向がみられた. |
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ISSN: | 0912-0726 1883-1923 |
DOI: | 10.3995/jstroke.9.304 |