壁外性に発育したS状結腸癌の1例

大腸癌が壁外性に発育することは稀である.本疾患の1例を経験したので報告する. 症例は70歳の男性で,左下腹部痛を主訴に受診した.左下腹部に手拳大,弾性硬の腫瘤を触知し,精査を行った.エコー, CTでは結腸に接して結腸の腸間膜側に約5cm大の腫瘤を認めた.注腸造影検査ではS状結腸にapple core signを認めた.内視鏡検査では2型腫瘍を認め,生検で高分化腺癌であった.大腸癌の壁外性発育をもっとも疑って手術を行った.手術所見ではS状結腸から腸間膜に手拳大の腫瘤を認めた. S状結腸切除術を行った.摘出標本で結腸から腸間膜にかけて6.0×4.5×4.0cm大の腫瘤を認めた.粘膜面には3.5×7...

Full description

Saved in:
Bibliographic Details
Published in日本臨床外科学会雑誌 Vol. 66; no. 1; pp. 120 - 123
Main Authors 二村, 直樹, 三鴨, 肇, 杉本, 琢哉, 堀谷, 喜公, 山本, 淳史
Format Journal Article
LanguageJapanese
Published 日本臨床外科学会 25.01.2005
Subjects
Online AccessGet full text
ISSN1345-2843
1882-5133
DOI10.3919/jjsa.66.120

Cover

More Information
Summary:大腸癌が壁外性に発育することは稀である.本疾患の1例を経験したので報告する. 症例は70歳の男性で,左下腹部痛を主訴に受診した.左下腹部に手拳大,弾性硬の腫瘤を触知し,精査を行った.エコー, CTでは結腸に接して結腸の腸間膜側に約5cm大の腫瘤を認めた.注腸造影検査ではS状結腸にapple core signを認めた.内視鏡検査では2型腫瘍を認め,生検で高分化腺癌であった.大腸癌の壁外性発育をもっとも疑って手術を行った.手術所見ではS状結腸から腸間膜に手拳大の腫瘤を認めた. S状結腸切除術を行った.摘出標本で結腸から腸間膜にかけて6.0×4.5×4.0cm大の腫瘤を認めた.粘膜面には3.5×7.0cm大の2型腫瘍を認めた.割面では結腸の腫瘍が腸間膜方向に浸潤して壁外性腫瘤を形成していた.病理組織検査では中分化腺癌,深達度si, ly2, v1, n1(+)であった.
ISSN:1345-2843
1882-5133
DOI:10.3919/jjsa.66.120