慢性腎不全患者に発症した小脳初発の進行性多巣性白質脳症の1剖検例

症例は74歳,女性.既往歴に慢性腎不全あり.免疫不全をきたす基礎疾患や薬物歴は.構音障害と右小脳症状にて発症し,頭部MRIT2強調画像で右小脳脚から小脳半球にかけて高信号域を認めた.次第に小脳症状が増悪し,性格変化や感情障害が出現し,発症より約5カ月で死亡された.剖検にて小脳白質を中心に著明な脱髄巣と小脳,大脳白質等に抗JCウイルスVP1抗体で核が陽性に染色される細胞を認めたため進行性多巣性白質脳症と診断した....

Full description

Saved in:
Bibliographic Details
Published in日本内科学会雑誌 Vol. 91; no. 1; pp. 459 - 461
Main Authors 小杉, 智規, 檀原, 敦, 杉山, 和夫, 若井, 正一, 西影, 裕文, 五島, 一征, 山本, 順之祐, 筒井, 祥博
Format Journal Article
LanguageJapanese
Published 一般社団法人 日本内科学会 10.01.2002
Subjects
Online AccessGet full text

Cover

Loading…
More Information
Summary:症例は74歳,女性.既往歴に慢性腎不全あり.免疫不全をきたす基礎疾患や薬物歴は.構音障害と右小脳症状にて発症し,頭部MRIT2強調画像で右小脳脚から小脳半球にかけて高信号域を認めた.次第に小脳症状が増悪し,性格変化や感情障害が出現し,発症より約5カ月で死亡された.剖検にて小脳白質を中心に著明な脱髄巣と小脳,大脳白質等に抗JCウイルスVP1抗体で核が陽性に染色される細胞を認めたため進行性多巣性白質脳症と診断した.
ISSN:0021-5384
1883-2083
DOI:10.2169/naika.91.459