非A非B型肝炎におけるHCVコア抗体の測定および肝病変との関連性の研究

コア部分より作製されたJCC. 2および,KCL-163, C-100 kitを使用し,血清学的及び肝生検組織像より,非A非B型肝炎と診断された症例(AVH: 24, CAVH: 93, LC:7例)の血中抗体値を測定し,さらにその肝組織の活動性および,門脈域のリンパ球浸潤に関してJCC. 2希釈抗体値との関連性を検討した.KCL-163, C-100抗体は,慢性肝炎で70~90%に見られたが,JCC. 2抗体陽性率は明かに高く慢性肝炎の全例に,AVHにおいても約半数に認められた.また肝生検時の血清ALT値とは正の相関を示し,HCV-RNAともよく関連していた.組織像においては,JCC. 2希...

Full description

Saved in:
Bibliographic Details
Published in肝臓 Vol. 34; no. 4; pp. 296 - 305
Main Authors 田中, 直英, 内田, 俊和, 本橋, 隆, 鈴木, 高祐, 林, 敬一, 鈴木, 壱知, 林, 仲信, 森山, 淳子, 松尾, 裕, 志方, 俊夫, 天木, 秀一, 大久保, 仁, 森山, 光彦, 塩田, 淳朗, 小峰, 文彦, 石塚, 英夫, 荒川, 泰行
Format Journal Article
LanguageJapanese
Published 一般社団法人 日本肝臓学会 1993
Subjects
Online AccessGet full text
ISSN0451-4203
1881-3593
DOI10.2957/kanzo.34.296

Cover

More Information
Summary:コア部分より作製されたJCC. 2および,KCL-163, C-100 kitを使用し,血清学的及び肝生検組織像より,非A非B型肝炎と診断された症例(AVH: 24, CAVH: 93, LC:7例)の血中抗体値を測定し,さらにその肝組織の活動性および,門脈域のリンパ球浸潤に関してJCC. 2希釈抗体値との関連性を検討した.KCL-163, C-100抗体は,慢性肝炎で70~90%に見られたが,JCC. 2抗体陽性率は明かに高く慢性肝炎の全例に,AVHにおいても約半数に認められた.また肝生検時の血清ALT値とは正の相関を示し,HCV-RNAともよく関連していた.組織像においては,JCC. 2希釈抗体値は炎症の強い例では,その値も高い傾向が見られ,LCではCAVH例に比してその値は低下していた.門脈域のリンパ濾胞は慢性肝炎で約半数に認められたが,JCC. 2希釈抗体値との特徴的な関連性はなかった.以上より,JCC. 2抗体系はその病態およびHCVのreplicationをより鋭敏に反映していることが推測された.
ISSN:0451-4203
1881-3593
DOI:10.2957/kanzo.34.296