前投薬としてのTN-873R比較臨床試験

高血圧患者を対象に,TN-873R(ニフェジピン坐剤)(TN群n=95)の手術時の血圧管理に対する有用性を,プラセボ坐剤(PL群n=97)を対照薬とした多施設二重盲検法により検討した. 投与後~抜管時までどの時期においてもTN群は有意に高い有効性を示した.緊張処置として降圧薬を使用した症例はTN群が8.3%,PL群が32.6%でTN群が有意に少なかった.TN群の血圧はPL群に比べ有意に低く推移したが,過度の血圧低下により昇圧薬が使用された症例数は両群間に有意差はなく,また,副作用発現率にも差はなかった.TN-873Rは高血圧症例の手術時の血圧管理に対する前投薬として有用な薬剤であると考えられた...

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Published in日本臨床麻酔学会誌 Vol. 12; no. 3; pp. 398 - 408
Main Authors 稲田, 豊, 沼田, 克雄, 山本, 道雄, 長野, 政雄, 笠松, 雅之, 藤田, 昌雄
Format Journal Article
LanguageJapanese
Published 日本臨床麻酔学会 1992
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ISSN0285-4945
1349-9149
DOI10.2199/jjsca.12.398

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Summary:高血圧患者を対象に,TN-873R(ニフェジピン坐剤)(TN群n=95)の手術時の血圧管理に対する有用性を,プラセボ坐剤(PL群n=97)を対照薬とした多施設二重盲検法により検討した. 投与後~抜管時までどの時期においてもTN群は有意に高い有効性を示した.緊張処置として降圧薬を使用した症例はTN群が8.3%,PL群が32.6%でTN群が有意に少なかった.TN群の血圧はPL群に比べ有意に低く推移したが,過度の血圧低下により昇圧薬が使用された症例数は両群間に有意差はなく,また,副作用発現率にも差はなかった.TN-873Rは高血圧症例の手術時の血圧管理に対する前投薬として有用な薬剤であると考えられた.
ISSN:0285-4945
1349-9149
DOI:10.2199/jjsca.12.398