ウルソデオキシコール酸投与患者の血中イソウルソデオキシコール酸の測定と臨床的意義

ウルソデオキシコール酸(UDCA)投与中の胆石症(GS):6名,慢性肝炎(CH):22名,代償期肝硬変症(LC):21名の血中イソウルソデオキシコール酸(isoUDCA)を測定しその臨床的意義を検討した.血中総胆汁酸濃度(mean mol/l)は,GS群23.93, CH群37.24,LC群78.73であり,胆汁酸分画(%)は各群ともUDCAが主要胆汁酸であったが,isoUDCAはおのおの19.17%, 6.68%, 1.58%を占めていた.また各群の血中isoUDCA/(isoUDCA+UDCA)率(mean%)は,28.30, 9.74,および2.55で,肝病変の進行とともに低下するのを認...

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Published in肝臓 Vol. 36; no. 5; pp. 283 - 288
Main Authors 堀田, 秀一郎, 中村, 公英, 牧野, 勲, 山村, 晃太郎
Format Journal Article
LanguageJapanese
Published 一般社団法人 日本肝臓学会 25.05.1995
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Summary:ウルソデオキシコール酸(UDCA)投与中の胆石症(GS):6名,慢性肝炎(CH):22名,代償期肝硬変症(LC):21名の血中イソウルソデオキシコール酸(isoUDCA)を測定しその臨床的意義を検討した.血中総胆汁酸濃度(mean mol/l)は,GS群23.93, CH群37.24,LC群78.73であり,胆汁酸分画(%)は各群ともUDCAが主要胆汁酸であったが,isoUDCAはおのおの19.17%, 6.68%, 1.58%を占めていた.また各群の血中isoUDCA/(isoUDCA+UDCA)率(mean%)は,28.30, 9.74,および2.55で,肝病変の進行とともに低下するのを認めた.さらに,血中isoUDCA/(isoUDCA+UDCA)率は直接ビリルビン,アルブミン,ヘパプラスチンテスト,ICG 15分停滞率との間に有意な相関関係が存在するのを認めた.これらの成績から,isoUDCAの生成は肝機能と密接に関連し,肝障害の進行に伴い低下することを示唆している.
ISSN:0451-4203
1881-3593
DOI:10.2957/kanzo.36.283