骨形成因子ハイドロキシアパタイト複合体の骨形成能について

骨形成因子 (BMP) は生体内に異所性に骨を誘導することで知られているが, 粗精製のBMPであっても, これを大量に入手することは非常に困難である。そこで, BMPを応用するには, 担体あるいはフレーム材料となりうるものを利用することがより効果的と思われる。ハイドロキシアパタイト (HAP) は歯周疾患において歯槽骨欠損部への骨充填材として広く応用されているが, これは骨誘導能, 骨形成能を有していない。したがって, 骨形成能を持つBMPがHAPとともに組織内に移植後, 骨形成能を発揮するならば, 歯槽骨欠損部の修復に非常に有効であると考えられる。我々は, BMP-HAP複合体を作製し, マ...

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Published in日本歯周病学会会誌 Vol. 31; no. 3; pp. 860 - 869
Main Authors 河合, 幹, 大野, 友三, 栗田, 新也, 梅村, 昌孝, 野口, 俊英, 河合, 蓬志, 片岡, 宏康, 長谷川, 二郎, 三枝樹, 明道, 鯉江, 正人, 岸, 正之
Format Journal Article
LanguageJapanese
Published 特定非営利活動法人 日本歯周病学会 1989
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ISSN0385-0110
1880-408X
DOI10.2329/perio.31.860

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Summary:骨形成因子 (BMP) は生体内に異所性に骨を誘導することで知られているが, 粗精製のBMPであっても, これを大量に入手することは非常に困難である。そこで, BMPを応用するには, 担体あるいはフレーム材料となりうるものを利用することがより効果的と思われる。ハイドロキシアパタイト (HAP) は歯周疾患において歯槽骨欠損部への骨充填材として広く応用されているが, これは骨誘導能, 骨形成能を有していない。したがって, 骨形成能を持つBMPがHAPとともに組織内に移植後, 骨形成能を発揮するならば, 歯槽骨欠損部の修復に非常に有効であると考えられる。我々は, BMP-HAP複合体を作製し, マウスの大腿部筋膜上に移植し, 3, 7, 14, 21日後に屠殺し骨形成能について検索した。BMP-HAP複合体移植群では, 軟X線写真所見, 組織学的所見においてHAP周囲に骨の新生が観察され, HAP単体移植群では観察されなかった。
ISSN:0385-0110
1880-408X
DOI:10.2329/perio.31.860