特発性橋出血に見られた視性幻覚と手掌口症候群
小出血を繰り返し,手掌口症候群,視性幻覚, MLF症候群,外転神経麻痺,小脳失調症など多彩な神経症状を呈した特発性橋出血の33才,男性例を報告した.最初左手掌口症候群,右MLF症候群,右外転神経麻痺が出現, CT上橋被蓋部に出血を認めた.血腫の縮小と平行して症状は改善したが,再度橋出血が増大するとともに,左MLF症候群,左外転神経麻痺,左顔面神経麻痺,視性幻覚が出現し,血腫の再縮小とともに,これらの症状は消退した.血管造影上は, AVM, aneurysmなどは証明されなかった.限局した突発性橋出血を繰り返したために,意識障害に,種々の神経症状の出現をみたものと考えた....
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Published in | 日本内科学会雑誌 Vol. 78; no. 5; pp. 641 - 644 |
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Main Authors | , , , , , , , , , |
Format | Journal Article |
Language | Japanese |
Published |
一般社団法人 日本内科学会
1989
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Online Access | Get full text |
ISSN | 0021-5384 1883-2083 |
DOI | 10.2169/naika.78.641 |
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Summary: | 小出血を繰り返し,手掌口症候群,視性幻覚, MLF症候群,外転神経麻痺,小脳失調症など多彩な神経症状を呈した特発性橋出血の33才,男性例を報告した.最初左手掌口症候群,右MLF症候群,右外転神経麻痺が出現, CT上橋被蓋部に出血を認めた.血腫の縮小と平行して症状は改善したが,再度橋出血が増大するとともに,左MLF症候群,左外転神経麻痺,左顔面神経麻痺,視性幻覚が出現し,血腫の再縮小とともに,これらの症状は消退した.血管造影上は, AVM, aneurysmなどは証明されなかった.限局した突発性橋出血を繰り返したために,意識障害に,種々の神経症状の出現をみたものと考えた. |
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ISSN: | 0021-5384 1883-2083 |
DOI: | 10.2169/naika.78.641 |