集団検診にて偶然発見された成人Boochdalek孔ヘルニアの1治験例

症例は34歳の女性.29歳時の集団検診にて初めて左胸部異常陰影を指摘され, 横隔膜弛緩症の診断を受けていた.34歳時の子宮筋腫摘出術の際, 横隔膜ヘルニアと診断された.胸部CT, 小腸造影, 注腸造影にてBochdalek孔ヘルニアと確認された.手術は開胸経路にてapproachした.ヘルニア嚢はなく, 胸腔内に小腸, 結腸, 及び大網の脱出と, 左下葉の無気肺を認めた.用手的に脱出臓器を腹腔内に還納した.ヘルニア孔は横隔膜左後側方に位置し6×6cm大であった.ヘルニア孔を直接閉鎖した.今回我々は集団検診にて異常陰影を指摘されるまで, 無症状で経過していた成人Bochdalek 孔ヘルニアを経...

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Published in日本呼吸器外科学会雑誌 Vol. 9; no. 7; pp. 885 - 890
Main Authors 藤生, 浩一, 大石, 明雄, 元木, 良一, 井上, 仁, 矢内, 康一, 石井, 俊一, 管野, 隆三, 伊勢, 一也, 鈴木, 正雄, 森山, 厚
Format Journal Article
LanguageJapanese
Published 特定非営利活動法人 日本呼吸器外科学会 15.11.1995
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ISSN0919-0945
1881-4158
DOI10.2995/jacsurg.9.885

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Summary:症例は34歳の女性.29歳時の集団検診にて初めて左胸部異常陰影を指摘され, 横隔膜弛緩症の診断を受けていた.34歳時の子宮筋腫摘出術の際, 横隔膜ヘルニアと診断された.胸部CT, 小腸造影, 注腸造影にてBochdalek孔ヘルニアと確認された.手術は開胸経路にてapproachした.ヘルニア嚢はなく, 胸腔内に小腸, 結腸, 及び大網の脱出と, 左下葉の無気肺を認めた.用手的に脱出臓器を腹腔内に還納した.ヘルニア孔は横隔膜左後側方に位置し6×6cm大であった.ヘルニア孔を直接閉鎖した.今回我々は集団検診にて異常陰影を指摘されるまで, 無症状で経過していた成人Bochdalek 孔ヘルニアを経験したので, 若干の文献的考察を加えて報告する.
ISSN:0919-0945
1881-4158
DOI:10.2995/jacsurg.9.885